2021 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴うレジスタンス運動抵抗性の分子基盤解明-筋原線維に着目した検討-
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20J01393
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿藤 聡 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(PD) (20825731)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 老化 / 運動抵抗性 / タンパク質代謝 / 筋原線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、加齢によるレジスタンス運動による筋肥大適応応答の低下機序を明らかにすることを目指し、筋タンパク質合成と筋原線維形成機構に着目して検 討を行っている。 前年度、in vivo SUnSET法(抗生物質puromycinによって新規翻訳鎖を標識する方法)を応用した新規翻訳産物回収法の確立を試みた検討ではPromycin化された新規翻訳産物を検出するには至らなかった。本年度は実験スケール及び使用する抗体を変更することによりpuromycin化された筋原線維構成タンパク質を回収することが出来た。 また、前年度までに筋収縮機能維持機能に関与している可能性を見出していたN-WASPについて、より長期の発現抑制が及ぼす影響を評価する為、マウスを対象としたRNA干渉によるN-WASPタンパク質ノックダウンを8週間実施した。前年度までの解析から2週間のN-WASPノックダウンによってマウスの筋収縮機能が低下することを確認していたが、8週間のノックダウンでは筋収縮機能に影響は認められなかった。このことからN-WASPによる筋収縮機能の調節には何らかの冗長性が存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までにPuromycin標識化新規翻訳産物の回収方法の確立とN-WASPタンパク質の安静時骨格筋量調節に関する検討が完了できたため、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はN-WASPが筋肥大抵抗性因子であるか否かを明らかにするため、マウスを対象にN-WASPノックダウンと過負荷による筋肥大を行う。また、これによりN-WASPが収縮による筋肥大に関与する因子である可能性を得ることが出来れば、老齢マウスの骨格筋に対するN-WASPの過剰発現を行い、筋収縮による肥大応答性を救済することが出来るか否か評価を行う。
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