2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms for the coevolution of obligate pollination mutualism
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20J01453
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有本 晃一 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 共進化 / 絶対送粉共生系 / 生物間相互作用 / 被食ー捕食関係 / イチジク属植物 / 防御形質 / 分類 / 系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、イチジク属植物とイチジクコバチ類の間に見られる相利共生系を材料に植物と昆虫の共進化機構を解明することを目的としている。また、天敵相と天敵に対する防御形質の関連を調査することで、共生系を中心とした生物間相互作用が共進化に与える影響を把握することも目的としている。 2022年度は、日本と台湾からの複数のイチジク種から得られているイチジクコバチからミトコンドリアDNAと核DNAの部分配列情報を得た後、系統解析を行った。結果、複数の未記載種を確認し、今日まで当該地域で用いられてきたイチジクコバチの学名の多くは誤同定であり、分類学的に再検討する必要性が生じた。 また、昨年度に引き続き、当該地域に自生するイチジク種の花嚢から得られるイチジクコバチ以外の昆虫類の調査を行た。イチジク3種の花嚢から採取されているタマバエの追加サンプリングを行った。これまでは成虫のみが得られていたが、蛹や幼虫も採取され、ミトコンドリアDNAや核DNAの部分配列情報から成虫との対応関係を確認したほか、さらなる複数の未記載種を確認した。また、これまで不明であった幼虫期の生態も明らかになった。生態観察の結果から、イチジクコバチの生存に負の影響を与える種と影響のない種がいると考えられ、タマバエの中でも種間で大きく生態が異なることが判明した。クロツヤバエの追加サンプリングも行い、これまでに得られているサンプルも含めてミトコンドリアDNAのCOIの配列情報を使って東アジア産既知種の系統樹を作成した。解析の結果、捕食性種と花嚢食性種との系統関係が明らかになったほか、捕食性種の中にこれまで形態情報だけでは識別されていなかった2系統が含まれていることを確認した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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