2021 Fiscal Year Annual Research Report
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20J01503
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
山崎 曜 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特別研究員(PD) (40816021)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 組換え抑制 / 遺伝子流動 / スーパージーン / 連鎖不平衡 / 適応進化 / 遺伝的基盤 / 全ゲノム解析 / トゲウオ科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では「集団間の非適応的な遺伝子流動が組換え抑制の進化を促進する」という仮説の検証を,トゲウオ科魚類を対象にして進めている.研究では主に遺伝子流動のある欧米の淡水型と海型,遺伝子流動レベルが低い日本の淡水型と海型のそれぞれの間の適応関連ゲノム領域や組換え抑制領域の分布を比較することで仮説の検証を進めている.本年は3年計画の2年目であり,以下の結果を得た.第一に,これまでに国内と海外の複数の集団より得ていたロングリードシーケンスをデノボアッセンブルし,集団ごとの参照ゲノム配列を得た.それらを比較したところ,各地域の淡水型と海型の間で多数の逆位領域の存在が明らかとなった.生態型間で遺伝子流動を経験した集団では,経験していない集団と比較し逆位領域の遺伝的分化が有意に上昇しており,逆位が実際に遺伝子流動を制限していることが示された.また系統解析を行うことで,逆位領域の進化史が明らかとなった.これまで日本の淡水型は欧米で見られる逆位領域を保持していないと予想していたが,一部の集団で欧米と同祖な逆位を保持していることが分かった.現在,逆位以外にも転座や転位も含め,ゲノムの構造変異が遺伝子流動とどのような関係にあるのかをさらに追究している.第二に,淡水適応に関与した形質変異の候補遺伝子についてゲノム編集実験を行い,実際にその遺伝子が形質の発生に重要である証拠を得た.第三に,ゲノムアセンブルの質の向上とTopologically Associating Domainの同定を目的としたHi-C解析を行った.データは取得済みであり,現在解析を進めている.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)