2020 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知障害(MCI)改善のエピゲノム制御解明と介入標的の探索
Project/Area Number |
20J01647
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
牧野 圭太郎 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 軽度認知障害 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、エピゲノムはアルツハイマー病や軽度認知障害(Mild cognitive impairment: MCI)発症のバイオマーカーとなる可能性が示唆されている。また、MCIは認知症への移行率が高い一方で、正常な認知機能へと改善する可能性を持つことが知られている。本研究は、MCI改善の機序について、エピゲノムの側面から解明することを目的としている。 採用1年目の本年度では、受入研究機関のデータベースから健常高齢者とMCI高齢者を抽出するとともに、対象者の網羅的なmicroRNAデータの基盤構築を行い、MCIに特異的なエピゲノム情報の特定を行った。MCIの判定はPetersenの基準に準じ、認知症ではなく、日常生活が自立しており、全般的認知機能が維持されているが、客観的な認知機能に低下が認められる者とした。なお、認知機能の評価には、National Center for Geriatrics and Gerontology-functional assessment tool(NCGG-FAT)を用い、単語記憶、注意・遂行機能、処理速度をテストし、いずれかの成績で年齢階級ごとの平均値より1.5標準偏差以上の低下があった場合、客観的認知機能低下ありと定義した。また、MCIに関わるエピゲノム情報は未だ十分に一致した見解が得られていないため、まずは網羅的なmicroRNAの発現プロファイリングデータを用いて、健常高齢者とMCI高齢者の間で比較を行った。現在、次年度以降の縦断解析に向けて、認知機能とmicroRNAを含むデータ基盤の整備を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗として、健常高齢者とMCI高齢者を抽出するとともに、対象者の網羅的なmicroRNAデータの基盤構築が進んでおり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として、MCI高齢者に対する追跡検査を実施し、MCIの状態変化(健常への改善の有無)およびエピゲノムの縦断変化を調査する。また、可変的な介入標的を探索する目的で、生活習慣(身体活動、知的活動、社会活動など)の評価もあわせて実施する予定である。
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