2022 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造の集積を用いた細胞組織構築技術の創出とその応用
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20J01820
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
上野 秀貴 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | Tissue engineering / マイクロチップ / 厚膜感光性材料 / マイクロ・ナノデバイス / BioMEMS / Lab on a Chip |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、微細構造を集積したフレキシブルなポーラス構造を用い、より本来の生体組織に類似した立体的な疑似細胞組織を作製する手法の構築を目的としている。研究項目は3つあり、それぞれ①フレキシブルなポーラス構造の作製、②フレキシブルなポーラス構造上への細胞播種および培養方法の検討、③回収した細胞組織の機能の評価である。 最終年度である本年度は、主に研究項目③の回収した細胞組織の機能の評価を行った。本実験では蛍光タンパク質を有するヒト脳腫瘍細胞U-87を用いた。回収した細胞組織の蛍光強度を取得することで、回収した細胞組織を構成する細胞が、細胞組織の形成と回収操作においてほぼ影響を受けていないことを示した。また、リファレンスとしてポーラスを有さない構造を作製した。同様の条件で細胞を播種・培養し回収を試みたが、ポーラスを有する構造からの回収と比較して回収率は低くなった。また、回収した細胞組織を構成する細胞の生存率を評価したところ、ポーラスを有する構造上で培養された細胞の生存率はより高い値となった。ポーラスの構造を用いることで、細胞培養中の代謝物質の交換がスムーズに行われ、細胞組織を構成する細胞の生存率が向上したと考えられる。本研究結果から、フレキシブルなポーラス構造はその構造上での細胞培養と構造上からの細胞組織の回収に有用であり、先行研究と比較して、タンパク質分解酵素など細胞に負荷のある薬剤を用いる必要がないので、神経細胞など脆弱な細胞に対しても適用できると考えられ、再生医療分野などへ応用できると期待される。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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