2022 Fiscal Year Annual Research Report
発がんにおけるDNA N6メチルアデノシンの意義:がん治療の新規作用点となるか?
Project/Area Number |
20J01824
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 良祐 群馬大学, 生体調節研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | メチル化 / CRISPR / がん / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
原核細胞生物のゲノムではN6メチルアデノシンは主要なDNAメチル化修飾であるのに対し、ヒトやマウスなどの哺乳動物細胞では、DNA中のN6メチルアデノシン存在量はきわめて少なく、その生物学的意義はほとんどわかっていない。 最終年度となる2022年度はがん遺伝子やがん抑制遺伝子の候補についてin vivoで機能解析を行うための手法として、子宮内膜in vivoゲノム編集法の確立をさらに進めた。複数のがん抑制遺伝子を同時にゲノム編集することにより3ヶ月で子宮がんを誘発できること、標的とする遺伝子を変更することにより性質の異なるがんを作製できることを示し、国際学術誌に報告した(Kobayashi et al., 2022, Int J Cancer)。しかし昨年に報告した通り、上記手法でDNA N6メチルアデノシン関連遺伝子のノックアウトを試みても明確な発がん促進や抑制の証拠は得られていない。 哺乳動物細胞において、N6メチルアデノシン修飾はゲノムDNAよりむしろRNA中に豊富に存在する。RNAにおけるN6メチルアデノシン修飾とがんとの関連を調査するため、子宮特異的Mettl14(RNA N6メチルアデノシン転移酵素)ノックアウトマウスを作製した。Mettl14ノックアウトマウスでの子宮がん発症は現在まで認められていないが、子宮では自然免疫活性化による炎症反応促進が認められ、このマウスは着床不全による不妊の表現型を呈した。現在は免疫活性化および着床不全の原因について分子生物学的解析を進めている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)