2020 Fiscal Year Annual Research Report
中国近代における「国語科」の創成 -胡適の国語教育論を起点として-
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20J10037
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 大喜 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 胡適 / 国語科 / 全国教育会連合会 / ジョン・デューイ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、当初の予定では、1)修士論文で扱わなかった資料の収集、2)国内外での口頭発表、論文投稿、3)台湾での現地調査を予定していた。 1)では、所属機関の図書館に協力いただき、当時の教育政策に大きな影響を与えた全国教育会連合会の資料を中心に収集した。2)では新型コロナウィルス感染症による大会延期・中止の影響で、当初のスケジュールを見直す必要が出てきた。最終的には、口頭発表(国内2回[第69回愛知県世界史教育研究会、日本現代中国学会東海部会第15回研究集会]、国際1回[History of Education Society in UK Virtual conference 2020])、論文(2編[『名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)』第67巻第1号、日本教育学会『教育学研究』第87巻第4号])を公刊することができた。3)として、台湾現地での研究交流が実現しなかったものの、イギリス教育史学会(HESUK)での口頭発表をすることができた。オンラインカンファレンスを活用しながら、国際的な視座に立って交流を重ね、自らの研究的立ち位置を模索していきたい。 総じて、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初の予定(アウトリーチのスケジュールを含む)を変更せざるを得なかったが、部分的に物流の遅延によって資料の到着が遅れているものがあるものの、研究を着実に進めることができた一年であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)資料収集については、本学の中央図書館の皆様にご協力いただき、連携しながら、海外の所蔵機関へ問合せ、取り寄せの交渉にあたった。まだ、一部は取り寄せの到着が来年度(2021年度)になるものの、大方予定していたものは取り寄せ、収集することができた。特に、全国教育会連合会の資料は本研究の核となる1922年新学制とそれにともなう教育課程編成をみるうえで不可欠なものとなる。
2)新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していた学会の中止・延期があり、発表計画を変更せざるを得なかった。予定の組み直しを行なったうえで、国内2度、国際1度、合計3度の口頭発表を行なった。特に、イギリスの教育史学会(HESUK)で査読審査を通過し、口頭発表を行なえたことは、今後の研究ネットワークの形成にとっても重要な第一歩となった。また、2020年度は2編の論文公刊をすることができた。とりわけ、日本教育学会『教育学研究』への論文掲載は今後の研究にとって大きな一歩となり、博士論文の中核となる内容をまとめることができた。
3)海外との研究交流は、新型コロナウイルス感染症の影響により、現地へ赴くことが難しかった。そうしたなかで、上記で記したように、イギリスの教育史学会へ参加・口頭発表できたことが大きな収穫であった。息の長い研究ネットワークを形成し、自らの研究的立ち位置を模索していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の影響によって、当初の計画を見直しする必要があった。多少の遅れはあるものの、柔軟にスケジュールを組みなおし、資料の収集と分析、執筆を進める必要がある。2021年度は、オンライン化などを活用しながら、所属機関や国内外の機関と協力して、資料の収集を進める。そのうえで、国際学会の発表を論文化し、学位請求論文の提出を目指していく。
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