2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fe系ホイスラー合金の結晶規則度制御によるIoT用薄膜熱電変換素子の創製
Project/Area Number |
20J10124
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
工藤 康平 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 熱電材料 / ホイスラー合金 / 薄膜 / 分子線エピタキシー / スピンギャップレス半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,研究代表者らがこれまで開発してきた「分子線エピタキシー(MBE)法を用いた低環境負荷かつ室温付近で高い熱電性能が期待されるFe系ホイスラー合金薄膜(Fe2VAl)の作製技術」で得られた知見を基に,面内型薄膜熱電変換モジュールへ応用可能な高い熱電性能を有するFe系ホイスラー合金薄膜の実証を目指している. 本年度はFe2VAlよりも高い熱電性能が期待されているFe2TiSiに関して,①薄膜の作製及び熱電物性の評価と②Tiの一部をMnで置換して熱電性能の向上を試みた.①に関してはMBE法を用いて単相かつ均一な組成分布の薄膜を350℃で作製することに成功し,Fe2VAl薄膜よりも高いゼーベック係数(S)と低い熱伝導率が得られた.一方でFe2VAl薄膜よりも高い電気抵抗率(ρ)が得られたため,高い熱電性能の実現にはSの絶対値(|S|)を維持したままρを低減するアプローチが必要であると判断した.②に関しては,詳細な構造解析及び熱電物性の測定結果から元素置換に成功し,|S|が大きく減少することなくρの低減を実現した.しかし,得られた熱電性能はBiTe系化合物と比較すると未だ低いため,今後は高い熱電性能を得られることが理論予測されているリン等を元素置換材料に用いて更なる熱電性能の向上を実現する必要がある. また本年度は,熱電性能に大きく影響するフェルミ準位付近に特異なバンド構造を有するスピンギャップレス半導体と呼ばれる新規材料として注目されているMn2CoAlの薄膜作製にも挑戦した.単相かつ均一な組成分布の薄膜作製に成功し,結晶構造と物性の関係を詳細に議論することができた.一方で熱電物性の評価には至らなかったため,今後は熱電物性の評価を行う必要がある. 以上の成果は,Fe系ホイスラー合金薄膜の更なる熱電性能の向上並びに新規材料薄膜の実現に向けた次なる課題と指針を呈示したものである.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(7 results)