2021 Fiscal Year Annual Research Report
閉じ込められた空間における液滴の動力学:スケーリング則と次元クロスオーバー
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20J10242
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
古賀 由希菜マーガレット お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 滴 / 融合 / スケーリング則 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、擬二次元空間下での液中液滴の融合という現象を取り扱った。ヘレショウセルを用いた擬二次元空間下において、外部液体(オイル)の粘度を非常に高くした実験を行い、グリセリン液滴が融合する際の、融合時の架橋部分(ネック)に着目して研究を進めた。実験の結果、本条件下では、ネックの半径がセルの厚み以下となる融合の初期で、ネックの成長速度が外部液体、液滴どちらの粘度にも依存しないということが分かった。また、本実験では、液滴が液槽の表面と互いに引き合って融合が開始する様子が見られた。これらの結果をもとに、2021年度は以下の方法でネックのダイナミクスが慣性領域にあることを確かめた。 ・理論式の導出:擬二次元空間ではあるが、セルの厚みよりもネックの半径が小さいため、ネックの形状は三次元的であることに留意した。また、本実験でみられた「ネックの高さ」という長さスケールに新しく着目し、ナビエ・ストークス方程式を次元解析的に用い、慣性領域におけるネックの成長法則を導出した。 ・理論式と実験結果の整合性:実験の特性上、液体の粘度や密度などを独立に固定した実験が難しかったため、実験データと理論式の整合性の確認は、グラフの軸の取り直し、相対時間スケールに基づいた検証、速度スケールに基づいた検証、と三通りの方法で行った。その結果、全ての方法においてその整合性を確認することができた。 ・粘性領域に関する検討:上記の理論式と実験結果の整合性の確認に加え、ネックのダイナミクスが粘性領域にはないということを確認した。粘性スケールが、ネックの半径、ネックの高さ、液滴の半径である3つの粘性領域についてそれぞれ考え、結果、全ての場合において実験結果と一致せず、着目しているネックのダイナミクスは粘性領域にはないことが確認できた。 以上の方法で、本研究で着目したネックのダイナミクスが慣性領域にあることを確かめた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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