2020 Fiscal Year Annual Research Report
陽電荷を有する修飾核酸の合成と特性評価-細胞内移行性獲得に向けた分子戦略-
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20J10308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀江 直宏 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 人工核酸 / オリゴヌクレオチド / 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 当研究室が開発した糖部グアニジン架橋型核酸『GuNA』は陽電荷を持つグアニジノ基がオリゴ核酸全体の電荷を中和することで相補的な核酸との結合能や細胞内移行性を改善することが知られている。本研究ではGuNAのグアニジノ基に置換基を導入した誘導体を各種合成し、置換基導入における結合能や細胞内移行性への影響を精査した。これにより、核酸医薬へと応用可能な優れた置換基改変GuNA誘導体の創成を目指した。 【研究結果】 4種類の一置換型GuNA誘導体(GuNA[R]、R=Me、Et、iPr、tBu)と2種類の二置換型GuNA誘導体(GuNA[R,R’]、[R,R’]=[Me,Me],[Me,tBu])の合成を達成した。これらを導入したオリゴ核酸の細胞内移行性を評価したところ、置換基の導入が細胞内移行性を低下させる可能性が示唆された。これはグアニジノ基と細胞膜との相互作用が脂溶性置換基の導入により妨げられたことが要因であると考えられる。一方、相補的な核酸との結合能を評価したところ、置換基の嵩高さが増すに従い結合能が大幅に向上することが判明した。この結合能の向上に関してより詳細なメカニズムを探るため、核酸二重鎖の結晶構造解析を行なったところ、嵩高い脂溶性置換基が核酸塩基部の近傍に存在し、またこの特有の構造によりグアニジノ基と核酸塩基間に新たな水素結合が形成されていることが分かった。以上の結果から、GuNAグアニジノ基上の脂溶性置換基の導入は細胞内移行性を妨げるものの、結合能においては非常に有利に働くことが分かった。これにより今回合成したGuNA誘導体が核酸医薬へと応用可能な優れた人工核酸であることを明確に示した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(1 results)