2021 Fiscal Year Annual Research Report
C-P結合の切断を鍵とするキラルビスホスフィンの新奇合成法と不斉自己触媒反応
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20J10362
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 隼斗 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ホスフィン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は前年度見出したフルオロホスホラン中間体を鍵とした触媒反応の開発に着手した。具体的にはフルオロホスホラン上のフッ素と外部求核剤との配位子交換をともなう三成分連結反応の開発に取り組んだ。その結果、外部求核剤としてシリルエノールエーテルを加えることで、三成分連結反応が進行し、1,3-ジエン誘導体が得られることを明らかにした。本反応では遷移金属を用いたヒドロビニル化とは相補的に、エノールの求核的な炭素とアルキンの求核的な炭素とで新たな結合が形成される。DFT計算および各種実験の結果、三成分連結反応では鍵段階としてフルオロホスホラン中間体とシリルエノールエーテルとの間で配位子交換が進行していることを明らかにした。これによって生成した五配位リン化学種から[3,3]-シグマトロピー転位および[1,3]-プロトン移動を経て1,3-ジエンが生成する。また、シリルエノールエーテル以外のケイ素求核剤を用いた場合には異なる形式の三成分連結反応が進行することも見出した。これらの反応ではリン上での形式的な酸化的付加、配位子交換、還元的脱離をともなって反応が進行する。つまり、遷移金属と類似のレドックス触媒サイクルをリン原子を用いて実現した。本研究において得られた知見はリンに限らず、典型元素を利用したレドックス触媒反応等の関連分野の更なる発展に寄与することが期待される。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)