2020 Fiscal Year Annual Research Report
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20J10403
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野ケ山 徹 東京都立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 混合ノルム / モレー空間 / 複素補間 / 変動指数 / ウェーブレット / 最大正則性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、作用素の有界性や補間空間の決定という観点から混合ノルムを用いて関数空間の構造を解析し、偏微分方程式へ応用することである。以下、研究実績について述べる。 まず、混合モレー空間のアトム分解に関する論文が発表された。この論文の中では、アトム分解を応用して、分数べき積分作用素に対するオルセンの不等式を示すことに成功している。また、「リース・ソリンの定理」とよばれる、ある作用素に関する2組の評価からその中間に対応するノルム評価を導出する定理がある。この定理の混合モレー空間に対応する結果を得ることに成功した。そして、混合モレー空間の第1複素補間空間、第2複素補間空間を決定することにも成功した。 また、類似の研究として、変動指数を持つ関数空間についての研究も推進した。今年度は局所荷重付き変動指数ルベーグ空間のウェーブレット分解に関する結果が論文として発表され、国内研究集会において口頭発表も行った。さらに、その発展として局所荷重付き変動指数ソボレフ空間のウェーブレット分解に関する結果を得た。特に、この空間の微分階数に対応するパラメータは実数全体で定義することができる。定義には双対性と補間を用いており、フーリエ変換を用いずに定義することに成功した。この結果は査読付き雑誌に投稿中である。 さらに、偏微分方程式への応用として「最大正則性評価」を考察した。特に、ベゾフ・モレー空間における熱方程式の最大正則性評価を導出し、ケラー・ジーゲル方程式の可解性に応用した。この結果は査読付き雑誌に投稿中である。また、国内セミナーにおいて口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混合ノルムを用いた関数空間の解析が進展している。また、偏微分方程式への応用に取り組むことができ、結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
通常のノルムを備えた関数空間と混合ノルムを備えた関数空間の間の関係を、補間空間を通して研究していく。また、モレー空間を基にした空間における最大正則性評価を応用し、偏微分方程式の可解性の研究を推進していく。
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