2020 Fiscal Year Annual Research Report
ディスプレイの全印刷製造に向けた低電圧・安定駆動有機トランジスタアレイの開発
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20J10479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北原 暁 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 薄膜トランジスタ / 塗布型デバイス / 低電圧駆動 |
Outline of Annual Research Achievements |
常温・常圧の塗布による半導体層形成プロセスに基づき、高移動度・高急峻スイッチングを両立した有機半導体デバイスの実現をおもな目標とした。そこで、結晶性・自己集合性に優れた非対称置換棒状低分子材料(Ph-BTNT-Cn)を、スイッチング急峻化に有利な高撥液ゲート絶縁層上へ塗布製膜するための新たな手法を開発した。ここでは、親液性の電極をガイドとして高撥液絶縁層上に配し、半導体溶液の表面張力が低減される機構を導入することにより、高均質な結晶薄膜を高撥液絶縁層Cytop上へ直接塗布することに世界で初めて成功した。Cytop絶縁層・塗布結晶膜の積層構造を用いて薄膜トランジスタを作製したところ、2 V以下での低電圧オンオフ特性、理論限界に迫る高急峻スイッチング(SS値 0.067 V dec-1)、電圧印加履歴の抑制、高移動度(5 cm2 V-1 s-1)等、優れた低電圧駆動特性が同時に得られた。SS値は室温での下限値が0.060 V dec-1と導かれるため、Cytop・塗布結晶膜により得られるSS値は、理論最小値に匹敵している。この急峻SS値は、高撥液・不活性なCytop絶縁層と高品質な分子性結晶でキャリア輸送界面を構築することにより、キャリア輸送を阻害するトラップが著しく抑制された結果であると考えられる。さらに、Cytop上にU字型電極を印刷形成し、その上に結晶膜を塗布することで全塗布TFTの構築を行った。この真空・高温装置を一切用いない全塗布工程により、低電圧駆動・急峻スイッチング・高移動度を同時に得ることに成功した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Remarks |
いずれも所属大学のプレスリリース。
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Research Products
(4 results)