2020 Fiscal Year Annual Research Report
メタ群集の空間構造と個体の分散が与える生態的浮動と選択への影響の解析
Project/Area Number |
20J10699
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
鈴木 裕香 沖縄科学技術大学院大学, 科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 群集生態学 / メタ群集 / ネットワーク / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は1つ目のプロジェクトを完成させ、論文として発表することができた(Suzuki & Economo 2021, Ecography)。これにより、メタ群集中での集団効果と種選別のバランスが、メタ群集の空間構造によって どのようにコントロールされるかを明らかにするとともに、自然界に見られるような複雑な空間構造を考慮にいれたモデルを使用することの重要性を示した。ここで得られた結果は、メタ群集の理論研究においてこれまで使用されていたモデルは極端な動態を生じさせることを明らかに示し、より複雑あるいは現実的な空間構造を取り入れた研究の重要性を示すものであり、メタ群集理論の今後の発展が必要な方向性を示したという重要性をもつ。 さらに、以前から手がけていた生態系の安定性にかかわる意見論文も投稿・発表することができた (Ross & Suzuki et al 2021, Ecological Research)。そ の後は2つ目のプロジェクトを進めており、メタ群集の安定性についてコンピュータシミュレーションを 用いて調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタ群集モデル(Wang & Loreau 2022, 2023, Ecology Letters)を発展させたモデルを使用して、コンピュータシ ミュレーションを用いて、メタ群集動態に空間構造がどのように影響するかを検証した。特に、メタ群集中での 集団効果と種選別のバランスが、メタ群集の空間構造によってどのようにコントロールされるかを明らかにする とともに、自然界に見られるような複雑な空間構造を考慮にいれたモデルを使用することの重要性を示した (Suzuki & Economo 2021, Ecography)。 さらに、2019 年の日本生態学会年会で企画したシンポジウム「Ecological Stability: spatial and temporal dynamics」における議論内容をもとに、シンポジウム講演者と共同で意見論文を投稿・発表した (Ross & Suzuki et al 2021, Ecological Research)。 現在、メタ群集の安定性に対する空間構造の影響を調べるプロジェクトが進行中である。モデリング、シミュレ ーションはおおよそ完了し、シミュレーション結果を現在解析中である。この結果を論文にまとめて学術誌へ投 稿予定である。同時に、現在博士論文執筆中。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在進行中のメタ群集の安定性に対する空間構造の影響を調べるプロジェクトにおけるシミュレーション結果の解析ををさらにすすめ、論文を執筆し、科学雑誌へ投稿予定である。加えて、現在までに使用しているシミュレーションモデルにより現実的なデータをインプットとして与えて、そのシミュレーション結果をこれまでの理論結果と比較・解析する。これらを含めたプロジェクト全体として、空間構造がメタ群集へ与える影響を複数の視点から総合的に解析した結果を、博士論文として執筆予定である。
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