2021 Fiscal Year Annual Research Report
仲介役ロボットが高齢者の悩みを有効に家族に伝えるための質量感提示手法に関する研究
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20J10887
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 洋平 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ソーシャルロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、本研究の基本コンセプトである、ロボットの重心移動により発話に「重み」をもたらすという効果について、参加者実験(N=94)を通して調査した。具体的には、2020年にトップ国際会議CHIにて発表したタングステン製可動錘を有するハンドヘルド型ロボットOMOYを用いて、OMOYの発話と重心移動の組合せがユーザーにどのような心理的影響をもたらすかを調査した。心理学分野で確立された会話シナリオに基づく調査の結果、発話中の重心移動提示はユーザーにOMOYの真剣さをより強く認識させることが明らかとなった。加えて、そうしたOMOYによる真剣さの表出は、他者とのメッセージング中に知覚されるユーザーの攻撃的感情(怒りや報復的動機づけ等)を、23%程度低減できる可能性があることも分かった。本研究の成果は、Frontiers in Robotics and AI誌に掲載されており、加えて、筑波大学プレスリリースをはじめとする各国メディアでの報道も行われた。また、同時に進めていた仲介役ロボットの対話AIに関する研究では、2018年に実施した大規模調査研究により得られたデータに基づき、ロボットが高齢者の悩みを遠方の家族に伝える際に、その伝え方を切り替えていくための対話システムを構築した(伝え方の例として、「ロボットからも家族にサポートを訴える」や「あえて匿名化する」といった方法が挙げられる)。そして、開発した対話システムの有効性を高齢者との対話実験(N=36)に基づいて検証した。その結果、仲介者であるロボットが高齢者にとって好ましい伝え方をする場合、悩みを打ちあけることに対して高齢者が感じる不安は小さくなる(=より安心して家族に悩みを打ち明けられるようになる)ことが明らかとなった。本研究成果については、別途国際雑誌への論文投稿を済ませた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)