2021 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機構造の動的特性を圧電素子を1つ組み込むだけで取得する革新的システム同定手法
Project/Area Number |
20J11339
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 勇心 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 航空宇宙工学 / システム同定 / 振動工学 / スマート構造物 / 圧電素子 / セミアクティブ制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙構造物の動的特性を軌道上で取得するための構造物システム同定の基礎研究を行った.構造物の動的特性を同定するためには,構造物の加振力(入力)とその振動応答(出力)を用いる.ここで,それぞれの信号に注目した. 加振力を生成するために,圧電アクチュエータと大型のアンプを使用すると膨大なエネルギ消費が発生してしまうため,宇宙空間での運用には適さない.そこで,省エネルギで生成可能なセミアクティブ入力をシステム同定に用いることを新たに提案した.セミアクティブ入力は省エネルギで生成可能な反面,符号や振幅の制御に制約が多い.そこで,これらの制約を考慮した,構造物システム同定に適したセミアクティブ入力生成のための制御戦略を2つ新たに提案した.提案した制御戦略のため,従来の構造物システム同定手法より98%少ないエネルギで,従来手法と同程度の精度で動的特性の取得を達成した.これらの成果は,2本の国際雑誌として投稿中である. 構造物の振動応答は,システム同定に用いられる加振力に対する純粋な応答以外に,外乱によって励起された応答が重畳している.正確なシステム同定を実現するためには,振動応答から外乱応答を除去する必要がある.従来は,①外乱応答が加振力応答より小さい仮定,または,②外乱ダイナミクスに対する仮定を設けなければ,外乱除去ができなかった.我々は,モデル低次元化の概念を用いて,外乱に関する仮定を設けずに外乱応答を除去する方法を提案した.この結果,実環境で構造物に作用しうる広帯域外乱環境下でも適切に外乱応答を除去することに成功した.更に,副次的な成果として,除去した外乱応答に注目することで,外乱ダイナミクスの適切な同定も達成した.これらの成果は,1本の国際雑誌として投稿中である.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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