2021 Fiscal Year Annual Research Report
固体界面における高分子鎖の凝集状態・熱運動性に基づく接着界面の設計
Project/Area Number |
20J11374
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
種子田 英伸 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 固体界面 / 接着 / 凝集状態 / 吸着層 / 熱可塑性高分子 / 熱硬化性高分子 / 高湿環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
接着は高分子と異種固体との界面において発現する。高分子と異種固体が接着した複合材料の力学特性は、接着状態に依存すると考えられる。高分子材料にさらなる性能、機能および安全性を付与するためには、異種固体界面における高分子の凝集状態を正確に理解することが必要である。本研究では、高分子と異種固体との接着界面における高分子鎖の凝集状態を明らかすることを目的とした。 これまでに、モデル系として表面自由エネルギーの異なる固体基板上に熱可塑性高分子の吸着層の凝集状態とその形成動力学に関する研究を実施した。その結果、高分子吸着層の形成動力学が異種固体の表面自由エネルギーによって変化することが示された。本年度は、より実用的な系に近づけるため、異種固体基板上における熱硬化性高分子の凝集状態を明らかにすることを目的とした。 熱硬化性高分子を異なる硬化条件で調製することで、ネットワークの不均一性が異なる薄膜試料を作製した。薄膜試料の凝集状態を中性子反射率(NR)測定に基づき評価した結果、熱硬化性高分子の凝集状態は膜厚方向に均一で、硬化条件に依存した不均一構造の違いを検出するには至らなかった。 さらに、高湿環境が固体界面における熱硬化性高分子の凝集状態に及ぼす影響について検討した。高湿環境における凝集状態も同様にNR測定に基づき評価した。高分子と水蒸気間の散乱長密度のコントラストを増幅するために重水を用いたところ、試料の散乱長密度は乾燥雰囲気と比較して増大していた。これは散乱長密度の大きい重水が高分子へ収着したことを意味している。また、熱硬化性高分子の散乱長密度は、固体界面においてより顕著に増大していた。これは水蒸気が固体界面に濃縮したと考えることで説明できる。そこで、高湿環境下での固体最界面の凝集状態を和周波発生分光測定に基づき評価した結果、水分子が固体界面に特異な凝集状態で存在することが示された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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