2021 Fiscal Year Annual Research Report
筒状炭化水素と極性回転子からなる外場応答性動的超分子固体の開発
Project/Area Number |
20J11478
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福永 健悟 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 大環状芳香族分子 / 動的挙動 / 筒状分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近,多環式芳香族ゲストと筒状炭化水素ホストを用いて弱い相互作用であるCH-π水素結合のみを用いた特異な超分子錯体を構築し,固体中でゲスト分子が位置の自由度を持ち,分子形状によりその動的挙動を制御しうることを見出した.この超分子系において,ゲスト分子として極性を有するものを用いることで,ゲストの双極子モーメントと外部電場との相互作用による特異な固体物性が発現することが期待される.本研究では,弱い相互作用が可能とする動的挙動がもたらす新機能の開発を目指した. 本年度は筒状炭化水素分子,[4]シクロクリセニレン ([4]CC) をホスト分子として,極性を有するゲスト分子を内包した超分子錯体の構築を検討した.まずホスト分子である[4]CCの大量合成の検討を行ない,[4]CCの前駆体であるジボリルクリセンをグラムスケールで合成することに成功した.並行して[4]CCと極性ゲストとの会合の検討を行ない,1H NMR測定によりいくつかの極性ゲスト分子が溶液中で超分子錯体を形成することを確認した.さらに等温滴定型カロリメトリー (ITC) を用いて溶液中における会合の熱力学を解き明かした.続いて固体中での超分子錯体の構造を明らかにするため,超分子錯体の単結晶の生成とX線結晶構造解析を検討したが,十分に良質な結晶を得ることができなかったため,固体中の分子構造は明らかとなっていない. 計画では固体NMR解析を用いた固体内での分子運動の解明や動的挙動に由来する物性の評価を行う予定であったが,企業への就職のため大学院を退学することとなり,それにともない本研究課題「筒状炭化水素と極性回転子からなる外場応答性動的超分子固体の開発」は本年度6月30日をもって廃止することとなった.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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