2021 Fiscal Year Annual Research Report
In vitro recapitulation of the plant RNA silencing amplification pathway
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20J11529
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 友理希 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | RNAサイレンシング / siRNA / RNA依存性RNAポリメラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
植物では、脊椎動物にはない「RNAサイレンシング増幅機構」が発達している。この機構は、RNA 依存性 RNA 合成酵素 (RNA-dependent RNA polymerase: RDR)が一部の小分子RNAの標的を二本鎖 RNA に変換することで大量の二次的小分子 RNAを生成し、RNA サイレンシングを増幅する機構である。この機構は獲得免疫システムが未発達な植物にとって主要なウイルス防御機構となっている。しかしこれまでの研究は、植物個体を用いた遺伝学的な研究が中心であったため、詳細な分子機構は不明であった。そこで、試験管内二次的小分子 RNA 生成機構の再現系を開発し、この機構の詳細解明を試みた。
昨年度までの研究から、植物体で作られる二次的小分子RNAの発現パターンを正確に再現できる試験管内系の開発及びRDRが相補鎖合成するための特徴を見出すことに成功した。これらの研究成果は、令和3年度にPNAS誌に発表するとともに、東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻令和3年度ERA賞 (Excellent Research Award) を受賞した。
今年度は機能詳細が不明な関連因子SGS3とSDE5の機能ドメイン解析を行なった。その結果、試験管内でのtasiRNA生成にはタンパク質全長は必要ではないことがわかり、SGS3とSDE5それぞれ必要最低限のアミノ酸領域の特定に成功した。また、SGS3は相分離形成するタンパク質であることが近年報告され、試験管内系でもその現象が再現できることを確認した。さらに、試験管内での相分離形成に関与するドメインを特定した。しかし、このドメイン欠損変異体はtasiRNA生成に影響がなかったことから、SGS3は相分離構造体を作るが、少なくとも試験管内環境では相分離形成がtasiRNA生成に重要ではないと推論した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
(1)小分子RNAの増幅機構を試験管内で再現!植物の分化やウイルス制御に必要な小さなRNAを生み出すしくみを解明
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