2020 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of the pathomechanism of neuronal intranuclear inclusion disease
Project/Area Number |
20J11785
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光武 明彦 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 神経核内封入体病 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経核内封入体病 (Neuronal intranuclear inclusion disease: NIID) の症例を収集した.東京大学医学部附属病院およびその共同研究施設より紹介された,NIIDが疑われる症例において,DNAを採取し,NOTCH2NLCのCGGリピート伸長を検出するため,repeat-primed PCRを行った.その結果,新規に8症例において,NOTCH2NLCのCGGリピート伸長が検出され,遺伝学的にNIIDと確定診断された.NIIDの遺伝子診断がついた症例の中には,血管攣縮を認めた症例,眼瞼下垂を呈した症例など,非典型的な臨床症状を呈する症例が含まれており,臨床症状の多様性が示唆された.また,東京大学医学部附属病院眼科との共同研究で,NIIDでは光干渉断層撮影や網膜電図の異常など,網膜変性を示唆する所見が得られることが多いことを見出した.本疾患においては,認知症のため眼症状は見過ごされがちであるが,網膜変性がみられることは特徴的である可能性があると考えられ,論文を発表した (Invest Ophthalmol Vis Sci. 2020;61:27.). NIIDの遺伝学的診断は,上記の通り,repeat-primed PCRを行うことで可能であるが,リピート数を決定するためには,Southern blot hybridization法が必要である.ただし,本法は解析のために多量のDNAを必要とし,また時間を要するものである.PCR法を用いて,もっと簡便にリピート数を決定できないかを検討した.リピート領域を挟み込む形でプライマーを設計し,GC richな領域を増幅するための条件を検討した.その結果,450 bpまでのサイズのリピートはPCRで増幅可能となった.フラグメント解析により,リピート数の推測が可能となるのではないかと考えており,現在,検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経核内封入体病 (Neuronal intranuclear inclusion disease: NIID) の症例を収集した.東京大学医学部附属病院およびその共同研究施設より紹介された,NIIDが疑われる症例において,DNAを採取し,NOTCH2NLCのCGGリピート伸長を検出するため,repeat-primed PCRを行った.その結果,新規に8症例において,NOTCH2NLCのCGGリピート伸長が検出され,遺伝学的にNIIDと確定診断された.NIIDの遺伝子診断がついた症例の中には,血管攣縮を認めた症例,眼瞼下垂を呈した症例など,非典型的な臨床症状を呈する症例が含まれており,臨床症状の多様性が示唆された.また,東京大学医学部附属病院眼科との共同研究で,NIIDでは光干渉断層撮影や網膜電図の異常など,網膜変性を示唆する所見が得られることが多いことを見出した.本疾患においては,認知症のため眼症状は見過ごされがちであるが,網膜変性がみられることは特徴的である可能性があると考えられ,論文を発表した (Invest Ophthalmol Vis Sci. 2020;61:27.).
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Strategy for Future Research Activity |
NIIDの遺伝学的診断は,上記の通り,repeat-primed PCRを行うことで可能であるが,リピート数を決定するためには,Southern blot hybridization法が必要である.ただし,本法は解析のために多量のDNAを必要とし,また時間を要するものである.PCR法を用いて,もっと簡便にリピート数を決定できないかを検討した.リピート領域を挟み込む形でプライマーを設計し,GC richな領域を増幅するための条件を検討した.その結果,450 bpまでのサイズのリピートはPCRで増幅可能となった.フラグメント解析により,リピート数の推測が可能となるのではないかと考えており,現在,検討を進めている.なお,NIIDの細胞モデルを構築するために,NOTCH2NLCのCGGリピート伸長を含む領域をクローニングしようと試みているが,現在のところ困難であり,異なったアプローチが必要であると考えている.
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] A Japanese family of primary familial brain calcification with paroxysmal kinesigenic dyskinesia2020
Author(s)
Mitsutake Akihiko , Matsukawa Takashi , Sato Tatsuya , Katsumata Junko , Seki Tomonari , Maekawa Risa , Hideyama Takuto , Tanaka Masaki , Ishiura Hiroyuki , Toda Tatsushi , Tsuji Shoji , Shiio Yasushi
Organizer
第61回日本神経学会学術大会