2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the role and differentiation process of intra-embryonic amniogenic somatopleure cells
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20J11793
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽田 優花 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 原羊膜 / ウズラ-ニワトリキメラ / 心血管発生 / 甲状腺 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では鳥類胚を用いて、近年同定された新規心血管系構成細胞の解析を行なった。この細胞は胚外組織である羊膜の原基である原羊膜壁側葉に由来しており、細胞追跡実験によって、一部が羊膜だけでなく心臓流出路付近の心筋や血管内皮細胞に分化することから、心血管系の構成細胞として新たに同定された (Asai, Haneda et. al., Sci. Rep. 2017)。しかし、胚内に移行した原羊膜壁側葉細胞の分化過程や最終的な寄与先は未だ不明であったため、本研究にて複数の手法を用いて解析を行なった。まず、ウズラーニワトリキメラ胚の作出によって、原羊膜壁側葉細胞の詳細な追跡調査を行なったところ、心臓にてこれまでに明らかになっていない細胞種への分化が確認されただけでなく、舌骨下筋や甲状腺にも寄与することを明らかにした。甲状腺に寄与したものはほとんどが血管内皮細胞に分化していたため、培養実験系を用いて分化メカニズムを解析したところ、頭部中胚葉からのFGFシグナルと甲状腺からのVEGF-Aの時期特異的な刺激により血管内皮に分化することが示唆された。このことは、シングルセル解析のデータを用いて分化経路を擬時間に沿って再構成することによっても確認することができた。さらにシングルセル解析によって胚内移行前の原羊膜壁側葉内に血管内皮前駆細胞様の性質を持つものが存在することも明らかとなった。本研究は、胚外組織である羊膜予定領域の細胞が、生命の中枢を担う心臓や甲状腺血管を構成する細胞の供給源となることを示した点において発生学的に新たな知見をもたらした。将来的には鳥類と同じ羊膜類であるマウスやヒトの発生過程と比較することにより、器官内血管新生機構と器官の機能発達との関連について新たな理解につながる可能性がある。本研究成果は分子生物学会、血管生物若手研究会などで発表し、現在、現在投稿準備中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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