2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of electrode interface for molecular recognition using ultrathin nanoporous films from polymer nanosheets
Project/Area Number |
20J11818
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石崎 裕也 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ多孔質薄膜 / 高分子ナノシート / イオン選択性 / 分子認識 / 表面修飾 / 有機-無機ハイブリッド / Langmuir-Blodgett法 / 電気化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、両親媒性の有機-無機ハイブリッド高分子ナノシートを前駆体として形成される多孔質SiO2超薄膜のナノ構造(膜厚・膜密度・細孔サイズ)および表面化学特性の同時制御により、高感度・高選択性を有する分子認識電極界面の開発を目的としている。本年度は、かご型シルセスキオキサン(SQ)を有する高分子ナノシートを前駆体としたナノ多孔質SiO2超薄膜の作製およびそのナノ構造制御を目的として研究を進めた。まず、Langmuir-Blodgett(LB)法を利用することでSQを有する有機-無機ハイブリッド高分子ナノシートを作製した。その後、室温・酸素雰囲気下でのUV光照射によりナノ多孔質SiO2超薄膜を作製した。フーリエ変換赤外分光(FT-IR)およびX線光電子分光(XPS)測定を利用して反応の進行を追跡した結果、高分子ナノシート内の有機部位の分解およびSQ部位の光酸化によってSiO2超薄膜が形成されることを明らかにした。また、得られたSiO2超薄膜の膜厚をサブナノメートルスケール(0.4 nm/layer)で制御可能であることを明らかにした。次に、高分子ナノシート内のSQ導入率を調節することで、最終的に得られる多孔質SiO2超薄膜の膜密度および細孔サイズの制御を試みた。原子間力顕微鏡(AFM)、水晶振動子マイクロバランス(QCM)および反射配置における小角X線散乱(SAXS)測定の結果から、高分子ナノシート内のSQ導入率に応じて膜密度を0.52から2.39 g/cm3の範囲で、平均的な細孔サイズを1.21から13.6 nmの範囲で制御可能であることを明らかにした。以上の結果から、SQを有する高分子ナノシートを前駆体とすることでナノ多孔質SiO2超薄膜の作製およびそのナノ構造制御が可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに、当初の計画で想定していたかご型シルセスキオキサンを有する高分子ナノシートを前駆体とした多孔質SiO2超薄膜の作製およびそのナノ構造制御を概ね達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに多孔質SiO2超薄膜の作製およびそのナノ構造制御を達成した。今後は、多孔質SiO2超薄膜のナノ構造に加え表面特性を制御することで、そのイオン・分子輸送特性を明らかにし、本研究課題の目的である高感度・高選択性を有する分子認識電極界面の開発を目指す。
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