2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Electrochemical Synthon and Utilize for the Construction of Alkaloid Core Structure
Project/Area Number |
20J11925
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡本 一央 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / レドックス反応 / 電解合成 / アルカロイド / カチオン / ヌクレオシド / 核酸 / イミノ糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
電解反応場の論理的設計に基づいて、ピロロフェナンスリドンアルカロイドの全合成を達成した。コア骨格の構築に際しては、陽極発生ラジカルカチオン種の分子内クロスカップリングとインドリンのベンジル位酸化によるインドールへの変換を鍵段階としている。一般的に、芳香族ラジカルカチオン種の求電子性の維持に寄与する非配位性反応場としてニトロメタン-過塩素酸リチウム溶媒系、およびHFIP溶媒系が知られているが、ピロロフェナンスリドン合成においてはいずれの溶媒系も低い収率を示した。そこで、両者を混合すれば非配位性反応場としての機能を増大させられると考え、ニトロメタン-HFIP系を用いたところ、両者の相乗効果(ニトロメタンの低いドナーナンバーとHFIPの水素結合アクセプター能)によって収率が大幅に向上し、効率的な芳香族クロスカップリング反応を開発することに成功した。また、これとは逆に配位性溶媒を用いて電解酸化を行った場合には、塩基共存下においてインドリンの酸化が起こり、相応するインドール誘導体を与えた。当該反応は、通常DDQなどの酸化剤を化学量論量必要とするものであり、反応場の論理的設計によりレドックス反応を制御することができた。さらに、電解条件においてプロリノール誘導体から発生するイミニウムカチオン種の反応性を、反応点の電子密度、およびアノマー位アセテート構造の共役酸pKaに基づき定量的に制御するカチオン制御理論を確立し、種々のイミノ糖C-グリコシド類の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
電解反応場の論理的な設計指針に基づいてラジカルカチオン種、イミニウムカチオン種の反応性をコントロールし種々の天然化合物およびアナログの合成に成功したため。フェナンスリドン類の合成研究においては、kalbretorineのような抗ガン活性を有するアルカロイドの効率的合成を達成しており、C-アザヌクレオシド類の合成においては系中発生している中間体を低温NMRにより直接観測することに成功した。これらの知見は、これまでブラックボックスであったニトロメタン-過塩素酸リチウム系における化学反応の可視化に寄与するとともに、より広範な分子変換への応用へとつながるものと期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
電解レドックス反応系における反応の成否を左右する因子を実験と計算科学の両面から解析することで、より高活性なカチオン性中間体を発生可能な方法論および条件を探索する。得られたデータを体系化することで、天然物やそのアナログといった生理活性分子の合成へと応用する。
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