2020 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βによるがん悪性化を制御する分子機構の解明と治療への応用
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20J11926
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 和樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | TGF-β / EMT / Fcキメラ受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの進展に関与する液性因子であるtransforming growth factor-β(TGF-β)を標的とした新規治療法の開発を目的として以下の実験を推進した。これまでTGF-βを標的とした治療薬としてTGF-β受容体キナーゼ活性を阻害する低分子化合物が複数開発されているが、いずれも半減期の短さなどが問題となっている。そこで近年、相対的に半減期が長いバイオ医薬品として、TGF-β II型受容体の細胞外領域にヒト抗体免疫グロブリンのFc領域を融合したFc融合タンパク質(TβRII-Fc)に注目が集まっている。しかし、TβRII-FcはTGF-βに存在する3つのアイソフォームのうちTGF-β1と3に結合できるが、TGF-β2と結合できないことが課題となっている。TGF-β1、2、3いずれのアイソフォームも口腔がんなど様々ながんの悪性化や予後に関与しており、TGF-β2を含めた全てのTGF-βアイソフォームと結合できるFc融合タンパク質の開発が必須である。そこで本研究では全てのTGF-β アイソフォームと結合できる新規Fc融合タンパク質の開発を目的とした。開発した新規Fc融合タンパク質によるTGF-β1、2、3に対する結合性を評価した結果、開発した新規 Fc融合タンパク質は全てのTGF-β アイソアイプに対する阻害効果を有することが明らかになった。新規Fc キメラ受容体はこれまで阻害できなかった血管内皮細胞由来CAF が分泌するTGF-β2 を阻害してがん細胞のEMT の誘導ならびに運動能を抑制した。さらに、新規Fc キメラ受容体による口腔扁平上皮がん細胞に対する腫瘍形成への影響を検討したところ、新規キメラ受容体において腫瘍血管新生を阻害することにより口腔がん細胞の腫瘍形成を抑制していることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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[Presentation] Oral squamous carcinoma cells under TGF-β-induced cell cycle arrest represent highly motile and invasive population.2020
Author(s)
Katarzyna A. Inoue, Kazuki Takahashi, Maki Saito, Atsushi Kaida, Akinari Sugauchi, Toshihiro Uchihashi, Yasuhiro Yoshimatsu, Susumu Tanaka, Masahiko Miura, Mikihiko Kogo, Tetsuro Watabe.
Organizer
AACR Virtual Special Conference: Tumor Heterogeneity: From Single Cells to Clinical Impact