2020 Fiscal Year Annual Research Report
PDIファミリー酵素が触媒する翻訳途上新生鎖の酸化的フォールディング機構の解析
Project/Area Number |
20J11932
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平山 千尋 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 新生鎖 / ジスルフィド結合 / PDIファミリー酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物において、リボソームで翻訳された新生ポリペプチド鎖 (以下、新生鎖)の約30%は小胞体内に挿入され、ジスルフィド結合の形成を伴った酸化的フォールディングを経て天然型の立体構造を獲得する。この過程で、Protein Disulfide Isomerase (PDI)ファミリー酵素が「翻訳中」の新生鎖にジスルフィド結合を導入することで、より効率的に酸化的フォールディングを促進すると考えられている。本研究では、翻訳中の新生鎖に対してはたらきかけるPDIファミリー酵素、PDIとERp46の作用機序の解明を目指し、主に2つのアプローチを用いて解析を進めている。第1のアプローチとして「翻訳中の新生鎖へのジスルフィド結合導入を経時的にモニタリングするシステムの開発 (生化学的手法)」を進めた。翻訳中の新生鎖を準備するために、再構成型タンパク質翻訳システムを用いて目的の長さで翻訳停止したリボソーム-新生鎖複合体の作製をおこなった。これを用いてPDIとERp46によるジスルフィド結合導入の観察を行なった結果、PDIはリボソームが立体障害となりリボソームトンネル近くのシステインには直接アクセスできないため、リボソームから離れたところに位置するN末側のシステインペアにジスルフィド結合を導入することがわかった。一方で、ERp46は柔軟な構造を持つためリボソームの立体障害を受けることなく、天然型のジスルフィド結合を好んで導入することがわかった。第2のアプローチとして「高速原子間力顕微鏡を用いたリボソーム-新生鎖複合体に作用するPDIファミリー酵素の一分子観察 (生物物理学的手法)」を行い、統計解析を行った結果、PDIとERp46の新生鎖に対する異なる結合様式が明らかとなった。これらの結果をまとめた論文は、2021年3月9日、米国科学誌iScienceにオンライン掲載された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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[Journal Article] A unique leucine-valine adhesive motif supports structure and function of protein disulfide isomerase P5 via dimerization2021
Author(s)
Masaki Okumura, Shingo Kanemura, Motonori Matsusaki, Misaki Kinoshita, Tomohide Saio, Dai Ito, Chihiro Hirayama, Hiroyuki Kumeta, Mai Watabe, Yuta Amagai, Young-Ho Lee, Shuji Akiyama and Kenji Inaba
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Journal Title
Structure
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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