2021 Fiscal Year Annual Research Report
Regional Diversity in Laicization of Hospitals
Project/Area Number |
20J11955
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 浩喜 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
Keywords | ライシテ / フランス / 政教分離 / 世俗主義 / 宗教学 / 宗教社会学 / 医療社会史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究課題「ライシテの歴史的形成過程の再検討--病院のライシテ化の地域的多様性」を遂行するなかで、主に次の成果を得た。①戦後のフランスにおけるライシテ研究の展開と特徴の解明、②ライシテに関する英語・仏語・日本語の先行研究の網羅的整理、③病院のライシテ化の地域的多様性に関する博士論文の準備、の三点である。 ①については、書籍や論文などの刊行物を用いて、主にGSRL(社会・宗教・ライシテ研究グループ)という組織に焦点をあてながら、戦後のフランスにおけるライシテ研究の展開と特徴を明らかにするとともに、GSRLの提唱するライシテの定義に批判的な考察を加えた。その内容は、2021年6月5日の「宗教と社会」学会での個人発表「ライシテ研究の学問史的再検討--GSRLを中心に」で公表した。 ②については、英語・仏語・日本語の文献を網羅的に収集したうえで、各国で「フランスのライシテはいかに語られてきたか」を明らかにするとともに、宗教社会学の分析概念としてライシテを用いるには、ライシテをどのように定義するのが有効かについて考察した。その内容は、2021年9月8日の日本宗教学会での個人発表「ライシテ概念の理論的再検討--政教分離か世俗主義かそれとも」で公表した。 ③については、とりわけ第三共和政前期のボルドーにおける病院のライシテ化に関する章の執筆を進めた。博士論文では、第三共和政期のパリ・リヨン・ボルドーにおける病院のライシテ化の経緯を解明し、ライシテの形成過程には地域的な多様性があることを解明する。パリとリヨンに関する章の執筆は、昨年度までにおよそ完了していたものを改善した。 ボルドーに関する章の執筆に加えて、上述の先行研究の整理や理論的な考察を集中的に行ったことで(成果①②)、今年度で博士論文の執筆は大きく前進した。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|