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2020 Fiscal Year Annual Research Report

ヒラムシ類における生殖器形態の多様化進化史の解明

Research Project

Project/Area Number 20J11958
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

大矢 佑基  北海道大学, 理学院, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2020-04-24 – 2022-03-31
Keywords分類学 / 系統学 / 進化史 / ヒラムシ
Outline of Annual Research Achievements

2020年の春から初夏にかけて予定していた新規標本の採集は新型コロナウイルスの感染拡大によって実施できず、また8月に予定していた海外での標本採集も中止となった。冬季に実施できた調査では複雑な立体構造を有する雄性生殖器を持ち、本研究で採集を予定していたNeoplanocera属ヒラムシが得られた。本種の組織学的観察と4遺伝子(16S rRNA、18S rRNA、28S rRNA、COI)の部分配列決定を実施した。本種における生殖器の立体構造の観察は次年度以降に実施予定である。
既存標本の組織学的観察では本邦未記録属に属するヒラムシが多数見つかった。特に雌性生殖器において膣管(膣が再度体外に通じる構造)を持つヒラムシ2種と生殖腸管(膣が腸につながる構造)を持つヒラムシ1種が見つかった。これらの種について予備的な系統解析を行い、膣管と生殖腸管のどちらの構造もヒラムシ内で独立に複数回獲得されていることが示唆された。
分子系統解析は既存標本を中心に上述の4遺伝子を決定して実施したが、上科に相当するクレードより下位の系統関係では進化的議論に耐える支持率は得られなかった。そこでlong PCRと次世代シークエンサーを組み合わせたミトコンドリアゲノム全長配列決定とそれに基づいた系統推定を計画した。しかし、プライマーや酵素、PCR条件等を検討したがlong PCRが順調に進まなかったため、ひとまずサンガー法で配列決定できる範囲で使用する遺伝子の追加を試みた。ヒストンH3遺伝子の部分配列はヒラムシ類全体にわたってうまく増幅できず、12S rRNA遺伝子の部分配列は決定できたものの、各分岐の支持率の向上は見られなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルスの感染拡大によって性成熟したヒラムシが確保できる4月~7月の標本採集が実施できなかった。12月に実施した調査では標本数も少なく、成熟しているヒラムシはほとんど得られなかった。
さらに所属研究機関での活動制限、都道府県をまたぐ往来の自粛、共同研究の受入機関や他大学臨海実験所などにおける外部利用の制限により研究活動ができない期間が長く続いた。
共同研究で実施予定であったマイクロCT装置による観察は受入先機関と協議して次年度に延期することになった。
また予定していた遺伝子数では十分な支持率が得られておらず、生殖器の進化史に関する議論は実施できていない。
以上のように当初予定していた研究のほとんどが実施できず、既存標本を用いた組織学的観察や予備的な系統解析にとどまっている。したがって本研究の進捗状況を「遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

ミトコンドリアゲノム全長配列の決定は既存の標本を使用していたため、DNAの断片化によって失敗した可能性もある。新規標本が得られた際は再度試みる。
生殖器の立体構造の観察は2021年度実施予定であるが、標本の準備や受入先の制限などにより大幅な計画の見直しが予想される。

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Published: 2022-12-28  

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