2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J11958
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大矢 佑基 北海道大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 分類学 / 系統学 / 進化史 / ヒラムシ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も新型コロナウイルスの感染拡大によって春から初夏に予定していた野外採集のほとんどが実施できなかった。今年度は既存標本を用いて1報の系統推定を伴う新種記載論文を出版した。記載した種は雄性生殖器の構造が大きく異なる他科のヒラムシと近縁であると推定され、生殖器形態の進化史を議論する上で重要になる種だと考えられる。 かろうじて実施できた調査で得られた標本からはこれまで報告例が少ない構造を雌性生殖器に備えるヒラムシが2種見つかった。それぞれの種について4遺伝子(16S rRNA、18S rRNA、28S rRNA、COI)の部分配列を決定し、それらを用いて系統的位置を推定した。これらの種は形態学的特徴と系統的位置からともに1つの未記載属に属する未記載種と判断され、現在記載の準備をしている。 また他の研究者より譲り受けたヒラムシについても同様に形態観察と系統推定を実施した。本種は未記載種と同定され、雄性生殖器の構造ではLeptoplanoidea上科に属するが系統解析ではStylochoidea上科に内包されると判明した。本種についての論文は投稿中である。 前年度は延期したマイクロCT装置を用いた生殖器の観察は当初の予定から変更し、特定の種の生殖器の詳細な記載に重点を置いて実施した。ここでは固定状態の異なるチリメンヒラムシ2標本について雌雄生殖器の観察・撮影をおこなった。本属ヒラムシの雄性生殖器は内壁に多数の棘を有し、機能する際は棘が外側を向くように反転突出すると考えられている。マイクロCT装置で撮影した結果、実際に棘が外側を向いていることが確認でき、さらにそのときの体内の構造も観察できた。この撮影像に基づき、生殖器の三次元構造の再構築を現在進めている。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)