2020 Fiscal Year Annual Research Report
最先端文字列アルゴリズム理論に基づく巨大データ解析技法
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20J11983
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三重野 琢也 九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 文字列アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
文字列中にちょうど一度だけ出現する部分文字列をユニーク部分文字列と呼ぶ。今年度は、文字列中のユニーク部分文字列を計算するための省領域なデータ構造・アルゴリズムの開発を主な目標として研究を行った。今年度は以下の四つの成果をあげた。 一つ目の成果は、最短ユニーク部分文字列問題という問題に対する新たなデータ構造の提案である。本研究では最短ユニーク部分文字列問題に対して最適時間で動作する線形ビット領域の新たなデータ構造を提案した。本成果は国際学術雑誌 Theoretical Computer Science に採択された。 二つ目の成果は、スライド窓においてユニーク文字列を計算するアルゴリズムの提案である。本研究では、極小ユニーク部分文字列および極小ユニーク回文部分文字列をスライド窓上で計算するアルゴリズムを提案した。前者の成果は国際学術雑誌 Algorithmica に投稿され、後者の成果は国際学術雑誌 Information Processing Letters に投稿された。 三つ目の成果は、文字列中に出現する平方の個数に関する新たな組合せ的性質の解明である。平方とは、同じ文字列が連続して二回繰り返された形の文字列である。本研究では、原始根平方と呼ばれる特殊な平方に着目し、文字列中に出現する原始根平方の延べ数に対する新たな上界を得た。本成果は国際会議 SPIRE 2020 に採択され、発表済みである。 四つ目の成果は、文字列から機密情報を取り除く手法の提案である。本研究では、機密情報を含みうる文字列データに対して、解析対象のデータとしての有用性を保ちつつ機密情報を除去する手法について、アルゴリズム的な視点から研究を行った。そして、既存手法の時間計算量を改善した。本成果は国際会議 CPM 2021 に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は四つの成果をあげた。 1つ目の成果は国際学術雑誌 Theoretical Computer Science に採択されている。2つ目の成果は国際学術雑誌 Algorithmica と Information Processing Letters に投稿され、共に、本報告書作成時点では採択されている。3つ目の成果については国際会議 SPIRE 2020 に採択されており、著者を代表して口頭発表を行った。4つ目の成果は CWI (アムステルダム、オランダ) の研究者らとの共同研究であり、国際会議 CPM 2021 に採択されている。 以上のように、令和2年度においては、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)