2021 Fiscal Year Annual Research Report
構造活性相関研究を超高速化する天然物創薬手法の開発と抗薬剤耐性菌薬リードの創製
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20J12016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 一貴 北海道大学, 薬学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 新規抗菌薬リード / 薬剤耐性菌 / ライブラリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、天然物を基盤とした新規抗菌薬リードを開発するため、誘導体合成を簡便化する手法の開発に取り組んだ。具体的には天然物を2つのフラグメントに分割し、アッセイプレート上で連結することで、迅速に誘導体ライブラリーを構築する方法を開発する。フラグメントの連結反応として、副生成物が生物活性評価に影響を与えない水のみであり、反応が定量的に進行するヒドラゾン形成反応を利用することとした。昨年度は、細菌細胞壁のペプチドグリカン生合成酵素の一つであるMraYを阻害するツニカマイシンおよびムライマイシンを基にライブラリーを構築し、複数のヒットを得て、さらにリンカー部分を安定化した誘導体の合成も行った。本年度は、昨年度実施したムライマシンおよびツニカマイシンの誘導体ライブラリーから得られた安定誘導体に関して、ムライマイシン型のリンカー部分の最適化を行った。すなわち、ヒドラゾン結合とそれを模した単純なり結合が最良のリンカーとは限らないため、フラグメントとコアをつなぐリンカーの原子数や結合位置が異なる誘導体を複数合成し、MraY阻害活性および抗菌活性を評価した。その結果、リンカーの構造に依って、活性に多少の差異が見られたものの、いずれも元の活性と遜色なかったことから、リンカー部は活性に大きく影響しないことがわかった。さらにこれら誘導体は現在問題となっているMRSAやVREにも効果を示した。加えて、これらのうち、マウス感染モデルで効果を示す誘導体を見出し、新規抗菌薬リード候補として有望な化合物を得ることができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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