2020 Fiscal Year Annual Research Report
Benefits of employees' recovery experiences on job performance and well-being
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20J12268
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
宮川 えりか 立教大学, 現代心理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | リカバリー経験 / 仕事の負担 / 仕事の資源 / 職場環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,就労者のリカバリー経験を規定する要因を明らかにし,仕事パフォーマンスおよびwell-beingとの関係性を検討することを目的とした。就労者のメンタルヘルス対策を検討するうえで,職場要因だけでなく,職場外要因についてもあわせて検討することは重要な視点である。令和2年度は,就労者のリカバリー経験を規定する個人外の要因を明らかにするために職場環境に着目して,それらの要因とリカバリー経験の関連について検討を行った。日本人を対象としたリカバリー経験の効果を検証する基礎資料が不足していることから,本調査では正社員として日本で勤務する就労者を対象にオンライン上で横断的質問紙調査を実施した。 データ分析の結果,従来の先行研究で示されているように,個人レベルにおける仕事の負担や仕事の資源がリカバリー経験と関連があることが確認された。また,個人レベルの資源だけでなく,部署や職場における資源やサポートについても,リカバリー経験を促進する上で重要な要因である可能性が示唆された。今後は,これらの分析結果をさらに詳しく見ていき,産業・組織心理学会第36回大会にて発表するために準備を進めている。学会発表後,学術誌に論文を投稿し,研究成果の公表に努める。 また令和2年度は,上記調査のほか,就労者のリカバリー経験のプロセスに関する質的データを分析し,学術誌に論文を投稿(査読中)した。さらに,リカバリー経験の形態の1つでもある旅行経験とwell-beingの関係に着目した複数の調査研究に関して,学会発表や論文投稿(査読中)などにも取り組み,研究成果の公表に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は,新型コロナウイルスの感染拡大状況などにより当初検討していた海外への研究訪問等,実現できなかったことがあった。しかしながら,文献調査や過去に収集したデータなどに基づき,研究を遂行するための検討を重ねて,当初の予定通り,多様な業種にわたる就労者を対象に比較的大規模なオンライン調査を実施することができ,リカバリー経験の規定因について検討することができた。また,研究成果の公表に向けた準備も進めており,今後の研究の進展につながる知見が得られたと考えられる。以上のことから,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,新型コロナウイルスの感染拡大状況でも実現可能な研究計画を考慮しながら,縦断的調査を実施することで,リカバリー経験がもたらす効果として,仕事パフォーマンスおよびwell-beingに与える影響について検討していく予定である。また,これまでの研究成果を学会発表や学術誌への論文投稿などを通じて公表していけるよう努める。
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Research Products
(1 results)