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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Study on elucidation of complex hydrological properties of limestone areas using underwater radon and its applicability

Research Project

Project/Area Number 20J12397
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

仲宗根 峻也  琉球大学, 琉球大学大学院理工学研究科(博士後期課程)海洋環境学専攻, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2020-04-24 – 2022-03-31
Keywordsラドン / 鍾乳洞 / 地下水 / 滞留時間 / ラドン収支 / 石灰岩地域 / 沖縄県
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、ラドンを用いて石灰岩の複雑な水理特性を明らかにすることである。
第一年度は、ラドン収支を基にした地下水の滞留時間の解析手法を中心に研究し、その成果を論文として発表した。
本研究では、沖縄島南部の石灰岩地域をフィールドとし、石灰岩体中に形成された鍾乳洞の天井から滲み出す滴下水と沿岸部近傍の湧水(受水、米須の2箇所)を月に一度の頻度で採取した(現在も継続中)。水中ラドン濃度の分析は、琉球大学の液体シンチレーションカウンタ(Tri-Carb2910, TR, PerkinElmer)で測定している。
石灰岩体中の滞留時間は、得られた水中ラドン濃度をアウトプット情報とし、水中ラドンの主な供給源である土壌間隙水中のラドン濃度をインプット情報として、その濃度差とラドンの半減期(3.8日)を考慮して算出した。土壌間隙水中のラドン濃度に関しては、先行研究の既報値を用いて算出した。本研究で構築したラドン収支モデルを用いると、鍾乳洞では7~10日間の滞留時間となった。また、受水では12~21日間、米須では12日~19日間で地下水が石灰岩体中を滞留していることが算出された。水中ラドンを用いて石灰岩体中の滞留時間を検証した内容は、国際誌(International Journal of Environmental Research and Public Health, Vol. 18, No. 998, pp1-12, 2021)に掲載された。
今後の課題として、水収支(降水量と流出量)との整合性を図り、算出した滞留時間がリーズナブルかどうかを検証する。また、次年度は、土壌間隙水中ラドン濃度を算出するために必要な、土壌中のラジウム濃度の分析やラドン散逸係数、土壌粒子密度などのパラメータを室内実験を行い、実測する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

第一年度の目標は、測定手法および解析手法の確立を達成目標としていた。鍾乳洞(玉泉洞)において滴下水中ラドン濃度、降水量および滴下水量の連続観測を実施し、基礎データを蓄積することができた。上記に加えて、沿岸部近傍の湧水(受水、米須の2箇所)においても水中ラドン濃度の測定を行なった。それらの結果を基に、ラドン収支モデルを構築し、水中ラドンを用いて沖縄島南部における石灰岩体中の滞留時間を算出することができた。COVID-19により、当初計画していた環境試料・データの取得や外部機関での分析が困難になるなど、想定外の事態が生じたが、適宜計画を見直し、着実に研究成果を積み重ねることができたため、おおむね順調に進展していると自己評価した次第である。

Strategy for Future Research Activity

第一年度の研究進捗により、水中ラドンを用いて当該地域の石灰岩体中の滞留時間を算出することができた。算出した地下水滞留時間を検証するため、既報の滞留時間との比較や水収支との整合性を図る必要がある。水収支については、昨年度から鍾乳洞において滴下水中ラドン濃度、降水量および滴下水量の連続データを基に構築する。上記のパラメータの連続観測は、モデルを構築する上で基礎的なデータになるため、次年度以降も継続して行う予定である。加えて、ラドン収支モデルの精度を向上させるために、土壌間隙水中ラドン濃度を実験的に算出する。第一年度では既報値の土壌間隙水中ラドン濃度を用いたため、次年度以降は実験的に実測した値を用いてラドン収支モデルを組み直す。実測にあたっては、密閉容器、除湿ユニット、静電捕集型ラドンモニタからなる実験系を構築する予定である。次年度中に、ラドン収支と水収支を組み合わせて、土壌から石灰岩体を含めた滞留時間の算出を目指して進めていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Temporal and Spatial Variation of Radon Concentrations in Environmental Water from Okinawa Island, Southwestern Part of Japan2021

    • Author(s)
      Nakasone Shunya、Ishimine Akinobu、Shiroma Shuhei、Masuda Natsumi、Nakamura Kaori、Shiroma Yoshitaka、Ooka Sohei、Tanaka Masahiro、Kato Akemi、Hosoda Masahiro、Akata Naofumi、Yasuoka Yumi、Furukawa Masahide
    • Journal Title

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      Volume: 18 Pages: 998~998

    • DOI

      10.3390/ijerph18030998

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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