2020 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノ空間を利用した全固体電池の高容量電極材料の設計
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20J12412
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
能登原 展穂 長崎大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 全固体電池 / 多孔性カーボン / in-situ 電子顕微鏡観察 / リチウムイオン二次電池 / in-situ STEM / SnO2 / 電極材料 / その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,カーボンナノ空間を利用した高容量電極材料の全固体電池電極としての構造最適化を行うことを目指している。今年度は下記(1)~(3)について研究し,論文発表,学会発表を行った。 (1)多孔性カーボン細孔内に高容量電極材料(SnO2)を担持したSnO2/多孔カーボン複合体の全固体電池系における充放電特性を評価した。複合体はカーボン細孔内に固体電解質が存在しないにも関わらず,空間を有しないSnO2/カーボン材料に比べて高い充放電特性を発現した。SnO2の充放電反応割合はSnO2担持量の増加に伴って向上したことから, LiイオンはSnO2粒子を介することで固体電解質の存在しないカーボン細孔内を伝搬している可能性を見出した。多孔性カーボンの利用が高容量電極材料の全固体電池への応用に有効であることを明らかとした。 (2)固体電解質の存在しないカーボン細孔内でのLiの伝搬性を調べるために, SnO2がカーボン上に疎・密に担持された範囲でのLiイオン伝搬挙動をその場走査型透過電子顕微鏡により調べた。Liイオンの伝搬速度はSnO2粒子同士が離れた範囲に比べてSnO2が連なった範囲で速く,SnO2をカーボン上に密に担持することで,固体電解質と界面界面を持たないカーボン細孔内の活物質が充放電できることが分かった。 (3)高容量活物質の全固体電池系での作動にはセルを機械的に拘束する必要があるが,拘束治具の利用は電池を大型化・重量化し,実用化の障壁とされている。SnO2/多孔カーボン材料は,電解質と活物質の直接界面を減らし,活物質(SnO2)の反応空間がカーボン壁のフレームワークで確保されるため,従来のような過度な拘束圧の影響を受けにくいことが分かった。さらに,単層CNTを電極層に導入することで,拘束圧を市販のコイン型電池程度まで下げた場合でも高容量・高サイクル特性を示すことを明らかとした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)