2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular mechanism of the combined effects of chronic exercise with pharmaceutics on polycystic kidney disease
Project/Area Number |
20J12732
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仇 嘉禾 東北大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ADPKD / 腎臓リハビリテーション / 長期的運動 / 多発性嚢胞腎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ADPKDへの運動療法の腎保護効果の機序を解明し、運動の効果を高めることが可能な併用薬剤についても検討を進め、糸球体病変のみならず尿細管間質病変への保護効果を明らかにすることで運動療法の腎保護効果を確立することを本研究の目的とする。腎臓生理学的な動物実験では、PCKラットへの長期的運動は10レーンのラット専用トレッドミルを用いて実施した。雄性PCKラットを、コントロール群、運動群に分け(各群10匹)、運動群に対してはトレッドミル運動(28m/分、60分、5回/週)を12週間施行した。トレッドミル運動負荷ラットおよびコントロールラットより生理実験用の血清を採取した。研究の評価項目としては、心肺運動負荷試験による運動耐容能の評価、腎機能、肝機能、腎臓の組織学的評価に加えて、長期的運動と薬剤併用による腎保護効果のメカニズムと予想される酸化ストレスの測定、cAMP産生能に与える影響の検討を行い、細胞内増殖機構であるB-Raf/ERK、mTOR/S6リン酸化を検討した。運動負荷の影響を検討するため、マイオカインであるアイリシンについて血清濃度をELISA法により測定したところ、トレッドミル運動負荷ラットで上昇していた。この一連の研究により、長期的運動の腎保護効果を明らかにし、そのメカニズムを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用第1年目に、査読付き学術論文は共同筆頭著者として発行されたものが1本、米国の学術雑誌にリバイス中の論文が1本で、現在投稿準備中の論文も存在する。また、新型コロナウイルス感染症の影響を与えず、日本腎臓学会学術集会、日本腎臓リハビリテーション学会に発表を行い、2021年3月に「第11回日本腎臓リハビリテーション学会YIAセッション会長賞」を受賞された。
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Strategy for Future Research Activity |
介入終了後に腎嚢胞形成、間質線維化、糸球体硬化について組織学的に検討する。メサンジウム細胞形質転換、上皮細胞形質転換、糸球体上皮障害、細胞増殖因子、細胞線維化を検討する。続いてPCKラットおよびADPKD由来培養尿細管細胞実験を行い、培養尿細管細胞の細胞増殖に対する新規マイオカインの効果をin vivoとin vitro実験で検討する。そこで、申請者らは、これからPCKラットに対する新規薬剤の効果を検討する予定である。
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