2021 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドット系における電子スピンを用いた量子テレポーテーションの実装
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20J12862
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 洋平 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 量子ドット / 量子情報 / 量子ビット / 電子スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では半導体量子ドット中に閉じ込めた単一電子スピンを量子ビットとして用いた量子テレポーテーション(QT)の実装が最終目標である。QT とは入力量子ビットの状態を遠隔地に転送する量子アルゴリズムで、ゲートテレポーテーションや一方向量子計算など様々なアルゴリズムに転用可能である。そのため量子テレポーテーションは様々な物理系で実現されており、量子情報技術の進捗を表す試金石となっている。量子テレポーテーションでは2ビット操作が必要であり、半導体量子ドット電子スピン量子ビット系では電子スピン同士のハイゼンベルグ型の交換相互作用を用いて2ビット操作を実現する。しかし交換相互作用は量子ドット間のエネルギー差やトンネル結合といった電気的な性質に依存するため、電荷ノイズの影響を受ける。その結果、相互作用の大きさが揺動し2ビット操作の忠実度が低下するという問題があった。これに対し我々はFPGAを用いたゲート電圧の動的な制御を用いることで電荷ノイズの影響を低減することに成功した。その結果2ビット操作中のコヒーレンス時間の延長を観測した。これは2ビット操作の忠実度が向上したことを示している。またノイズのパワースペクトル密度を調べたところ、低周波ノイズが抑制されていることを確認した。この手法はより複雑な量子アルゴリズムを実装する際にも応用することができ、将来的に大規模量子計算においても有用であることが期待される。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)