2021 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴的周期駆動がもたらす非平衡特有の物性現象に関する研究
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20J12930
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水田 郁 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | Floquet系 / 量子計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の計画として、共鳴的駆動下の Floquet 系の非平衡ダイナミクスの解明およびその量子計算との関係性の探索を目指したが、それと関連して以下の2つの成果を上げることができた。 [1] 非線形 Floquet トポロジカル系におけるエッジ状態: Floquet トポロジカル系では、実験技術の発達や理論的複雑さによりダイナミクスに対する非線形効果が興味の対象となっている。我々は自己無撞着法、線形安定性解析により端に局在した新たな定常状態を発見したほか、その安定性が非エルミート系という別の非平衡系の相転移と対応していることを見出した。本成果は国際学会誌 Physical Review Research に掲載され、Editor’s Suggestion に選ばれた。 [2] 深層変分量子計算による励起状態計算と周期系物質への応用: 変分量子計算は量子多体系の低エネルギー状態を決定する量子計算手法であるが、実用的な問題の適用には量子デバイスのサイズが足りないという課題がある。そこで、粗視化と量子計算を組み合わせた深層変分量子計算を拡張し、小さな量子デバイスで大きな量子系の基底状態・励起状態を同時に計算可能な手法を構築した。また、実用問題の典型例とされる周期系物質にも適用しその有用性を示した。本成果は国際学会誌 Physical Review Research に掲載された。 [1] は共鳴駆動下の Floquet 系の代表例である Floquet トポロジカル系の非平衡ダイナミクスの非線形効果を明らかにするものであり、研究計画の目標を達したといえる。[2] は平衡系に対する量子計算手法の構築で非平衡系への応用法を明らかにする所までは到達できなかったが、粗視化などの得られた知見は Floquet 系のダイナミクスの量子計算手法の構築につながると期待される。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)