2021 Fiscal Year Annual Research Report
成体脳神経幹細胞の繊毛が側脳室の恒常性維持に寄与するメカニズムとその生理学的意義
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20J12966
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤 崚太郎 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 繊毛 / 繊毛病 / 神経幹細胞 / ゲノム編集技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、繊毛病の病態メカニズムを明らかにするため繊毛病原因キナーゼIntestinal cell kinase (Ick)、Male germ cell-associated kinase (Mak)と相互作用する分子のスクリーニングを行い、繊毛病原因遺伝子として知られるSerologically defined colon cancer antigen 8 (Sdccag8)を候補因子として同定した。免疫沈降法によって、IckとMakはSdccag8のC末端領域 (Sdccag8-C)と相互作用することが明らかとなった。ヒトSDCCAG8のC末端領域を欠損させると考えられる短縮型変異が、網膜や腎臓の変性などの様々な器官の異常と関連すると報告されている。この知見に基づいてSdccag8のC末端領域に着目し、培養細胞を用いた実験により、Sdccag8-CがSdccag8の基底小体への局在と繊毛形成に必要であることを明らかにした。さらに、in vivoにおけるSdccag8-Cの役割を明らかにするために、ゲノム編集を用いてSdccag8-Cが欠失するように終始コドンをノックインしたSdccag8部分欠失 (Sdccag8ΔC/ΔC)マウスを作製した。Sdccag8ΔC/ΔCマウスを解析したところ、Sdccag8ΔC/ΔCマウスは、口蓋裂、多指、網膜と腎臓の変性、精子形成異常といった繊毛病様の表現型を示し、その表現型はIck欠損マウスやMak欠損マウスの表現型と一部類似していた。以上の結果から、Sdccag8-CはSdccag8の基底小体への局在と繊毛形成に必要であること、Sdccag8はIck、Makと機能的に相互作用していることが示唆された。本研究により、繊毛病原因タンパク質の相互作用ネットワークと繊毛病の病態メカニズムの一端が解明されたと考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)