2020 Fiscal Year Annual Research Report
反応場を精密制御した機能性触媒によるバイオマス資源の選択的水素化分解
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20J13086
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
相原 健司 東京都立大学, 大学院都市環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | Pt/WO3/Al2O3触媒 / 選択的水素化分解 / バイオマス変換 / 活性点構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、アルミナ上にPtとWO3を担持した触媒について、バイオマス資源の水素化分解への適応とその反応機構の解明について検討した。隣接する水酸基を持つα,β-ジオールを基質とした場合、速やかに反応が進行しα-アルコールが得られた。一方で隣接しない水酸基をもつα,ω-ジオールはほとんど反応が進行しなかったことから、本触媒は切断する水酸基の位置を精密に識別していることが明らかとなった。さらに、一級水酸基を持たないβ,γ-ジオールでは反応が進行しなかったことから、水素化分解の効率的な進行には一級水酸基の存在が必須であり、これは主に吸着点として働くためであると結論した。速度論的検討をもとに反応機構について検討したところ、αおよびβ位の水酸基を切断する機構は大きく異なり、これは主に活性点構造の違いに起因することを明らかとした。赤外分光法を用いて活性点の局所構造について検討したところ、系中にH2ならびにH2Oが共存したとき、新たな水酸基の形成が確認された。以上のことから、WO3とアルミナの界面に位置する架橋水酸基 ( W-(OH)-Al ) が反応中に生成し、これがβ位の水酸基切断に有効に働く活性点であると結論した。また、本触媒はバイオディーゼル製造時に副生するグリセリンや植物の茎や葉から得られるテトラヒドロフルフリルアルコールをはじめとする種々のポリオール類やヒドロキシエーテル類にも適応可能であり、ポリマーの原料等に利用される有用な化合物であるα,β-ジオールを高収率・高選択率で与えることを見出した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(8 results)