2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞治療を目指した細胞表面修飾による幹細胞ターゲッティング療法
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20J13363
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野入 信人 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞表面修飾 / ポリエチレングリコール結合脂質(PEG脂質) / 細胞接着誘導 / 細胞膜透過性ペプチド(CPP) |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は細胞を迅速に接着させるための細胞表面修飾材の合成と細胞を用いたin vitroにおける評価を行った。また、異なる分子量のPEG(5, 10, 20, 40 kDa)を用いることで修飾剤の分子構造の最適化を行った。 細胞膜透過性ペプチド(CPP)を結合したPEG脂質(CPP-PEG脂質)で浮遊系細胞種であるCCRF-CEM細胞の表面に修飾した。ディッシュへの播種から30分後に位相差顕微鏡で観察したところ、細胞の接着と伸展が見られた。また、蛍光分子FITCで標識化したCPP-PEG脂質で修飾した細胞を共焦点顕微鏡で観察した結果、細胞の表面に沿って蛍光が観察され、細胞内には見られなかった。このことから、CPP-PEG脂質が細胞表面に修飾されていることが示された。 CPP-PEG脂質で修飾した細胞を、カチオン性、電気的中性、アニオン性の基板に播種し、位相差顕微鏡により観察した。カチオン性の基板では細胞接着が見られたが、中性、アニオン性の基板では細胞接着が見られなかった。これらにより、CPP-PEG脂質による細胞接着誘導は静電相互作用に起因することが示唆された。また、PEGの分子量が大きいほど強固な細胞の接着と伸展が見られた。 また、接着誘導した細胞の遺伝子発現をリアルタイムPCRで評価したところ、浮遊系細胞では接着後も焦点接着マーカーの発現は見られなかった。一方で、接着細胞においてはCPP-PEG脂質修飾により播種から6 hにおいて接着斑形成が多く見られた。このことから、CPP-PEG脂質修飾は基材への迅速な細胞接着を誘導することで、その後のシグナル伝達を活性化することが示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)