2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20J13557
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
細木 拓也 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 進化 / 交雑 / 適応 / 適応進化 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
新規ニッチへの進出は、生物を新たな選択圧に晒すことで、急速な適応進化を誘導しうる。しかし同時に、新規ニッチへの進出は、集団の遺伝的多様性を減少させることで選択への応答能を低下させうることから適応進化が起こりにくいと考えられる。従って、新規ニッチへの進出に際して適応進化が生じるのか、また、適応進化が生じた場合、どのようなメカニズムで適応進化が生じるのかについては、未だ多くが解明されていない。 我々は、2011年の津波で形成された岩手県大槌町の旧市街地に位置する新規トゲウオ集団を用いて、生息環境に応じて急速な採餌形質(鰓耙数)の多様化が生じていることを観測してきた。本課題では、イトヨとニホンイトヨの種間交雑によって遺伝的多様性が増し、それに対して選択圧が働くことによって急速な適応進化が生じたとする仮説を立て、検証している。 本年度は、2012 -2019年に採捕された標本の鰓耙数を測定し、環境間で分化しているかを検証した。このうち、2014年に採集された個体を用いてGWASを行なったところ、鰓耙数の多型と相関のある遺伝子座を複数同定した。これらの遺伝子座では、ニホンイトヨ由来のアリルが鰓耙数を上昇させ、イトヨ由来のアリルが鰓耙数を減少させる効果がみられた。ついで、QTLマッピング用に、雑種系統を用意することができた。また、汽水水路に設置した閉鎖実験生簀と、淡水池に設置した閉鎖実験生簀から放流個体を回収することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、新規集団形成初期から現在まで標本の形態解析、GWASによる鰓耙数の多型に関わる候補遺伝子座の同定、QTL解析用の家系作成、野外実験が完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
QTLマッピングと、2012-2020年に採集されたサンプルでGWASを行うことで、今回同定された遺伝子座が、鰓耙数の多型に寄与しているのか再確認する。ついで、野外実験系から回収された個体の、鰓耙数と生残率・成長・成熟の度合いを比較することで、環境の違いが鰓耙数の分化を生じさせたのかを検証する計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Purging of heterospecific genome in the 2011 tsunami-created hybrid stickleback populations2021
Author(s)
Hosoki T., Mori S., Nishida S., Kume M., Nagano A., Kanbe H., Kakioka R., Nakamoto K., Iino Y., Kodama M., Oba S., Yamasaki Y., and Kitano J.
Organizer
第 68 回日本生態学会
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