2021 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロ基およびアゾ基の還元反応によるナイトレンの発生を鍵とする新反応の開発
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20J13697
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細谷 広務 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | ジボロン化合物 / 四塩化チタン / 四塩化ジルコニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
ジボロン化合物の四族塩化物に対する反応性を調査した。ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン(B2nep2)を四族塩化物である四塩化チタン (TiCl4), 四塩化ジルコニム (ZrCl4) に対して作用させると、B2nep2が金属中心に二座配位子として配位し、八面体構造を有する [MCl4(B2nep2)] (M = Ti, Zr) が得られることがわかった。[MCl4(B2nep2)]のホウ素―ホウ素間の結合長はB2nep2の結合長とほとんど差異はなかったものの、チタン中心に配位するホウ素原子と酸素原子の結合長は、ホウ素原子とチタン中心に配位していない酸素原子との結合長に比べて長いことがわかった。[MCl4(B2nep2)] の 1H NMR 測定を行ったところ、チタン中心に配位している方と配位していない方それぞれの酸素隣接位のメチレン部位に関して、チタン錯体では等価なブロードしたシグナルが得られた一方、ジルコニウム錯体ではそれぞれ非等価なシングレットピークが観測された。このことは B2nep2 はジルコニウム中心に強く配位していることを示唆しており、120 °C 以上に温度を上げることにより初めて等価なシグナルとして観測された。これらの錯体に THF を添加すると、NMR 測定によりフリーの B2nep2 が観測されたことから、ジボロン自体の配位能力は THF 中の酸素原子の配位能力よりも劣ることを明らかとした。また B2pin2 を B2nep2 の代わりに用いて反応を検討すると、B2nep2と同様の構造の錯体が得られ、化学的な性質も類似していることを明らかとした。以上に示す通り、四族塩化物に対するジボロン化合物の反応性を明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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