2020 Fiscal Year Annual Research Report
実測・疑似拡張気象データの機械学習による新たな豪雨予測モデルの開発
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20J13777
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
金子 凌 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 降水予測 / 水文学 / 深層学習 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,深層学習を用いた降水予測に以下の二つの側面から取り組んだ. (1)時系列データの学習に特化した降水予測 現象の時間的変化の学習に特化したLSTM (Long short-term memory)を用いてモデルを作成し,これに九州地方の地域気象観測システムAMeDASのデータを学習させた.過去12時間分の観測値を入力すると1時間後の降水量を予測するよう学習させ,評価も九州地方で行った.その結果,1時間先の予測であれば従来の物理モデルよりも同等かそれ以上の予測精度であった.また,降水の学習に重要な気象因子は降水量のみであり,水蒸気の収束などによる降水現象を学習するのにAMeDASの空間解像度17 kmでは不十分であることが考えられた.さらに,豪雨のような希な現象を学習するのも難しく,サンプルサイズを増やす必要があることが示唆された. (2)空間パターンの学習に特化した降水予測 (1)の結果を受け,空間解像度の高い気象庁の解析雨量(1 km四方の空間解像度)を使用し領域を全国に広げた.これを効果的に学習するように画像認識の分野で成果を挙げているU-Netというモデルを使用した.さらに,豪雨などの希なデータに回転変形などを適用することで擬似的な豪雨データを作成しサンプルサイズを増やした.前6時間分の降水量を入力すると6時間先までの降水量を予測するよう学習させた.その結果,過大評価の傾向はあるが,豪雨を予測する例も増加した.例えば,平成29年7月九州北部豪雨では,豪雨が観測される6時間前の午前9時には二本の線上降水帯を予測することが可能であった.このモデルは降水のみを学習しているが,降水のみで降水の移流や水蒸気の収束・発散などの潜在的な情報を学習できた可能性が明らかとなった.また,擬似的なデータを用いることにより,豪雨などの希な事例を予測できるようになり,その必要性が示唆された.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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