2021 Fiscal Year Annual Research Report
FRETを利用した生体適合性張力センサー材料の開発
Project/Area Number |
20J14073
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
谷田部 和貴 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | メカノクロミック材料 / 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET) / エキシマー蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、変形や疲労によって生じる材料の内部歪みを光学的に検出可能なメカノクロミック材料の開発が、盛んに行われている。中でも、細胞歪みの三次元的な解析を課題とするメカノバイオロジー分野において、そのような材料に生体適合性を持たせることで、細胞培養の足場材料へと変換することが渇望されている。今年度は、ヒドロゲル共重合体と、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を起こす蛍光色素ペアが修飾されたDNAとを共有結合で架橋させて複合材料化し、ヒドロゲルの変形による蛍光色調の変化を鋭敏に検出することを試みた。具体的には、蛍光ドナー(フルオレセイン)および蛍光アクセプター(TAMRA)を、ヘアピン型二本鎖を形成するDNAの両末端に導入し、ラジカル重合にてポリアクリルアミドゲル内に導入したのちに、外部から応力をかけたところ、蛍光色調の変化が観測された。当初の予想通り、ヒドロゲルが受ける歪みとFRET比とが対応していることが示唆された。しかしながらこの時点で、Walther先生らのグループより、ほぼ同一概念の論文が掲載されてしまったため(ACS Macro Lett., 671 (2021))、当該研究の分子設計の抜本的な変更を余儀なくされた。善後策として、2分子のナフタルイミド誘導体同士をリンカーでつなぎ、ナフタルイミド誘導体の両端にアジド基を導入したプローブを合成した。ナフタルイミド誘導体はエキシマー蛍光を示すことが知られており、外部から応力をかける際に、エキシマー型からモノマー型に変化して蛍光色が変化することを狙ったものである。同プローブの合成、精製、同定を行ったのち、クリックケミストリー経由でヒドロゲル共重合体と共有結合で架橋させて複合材料化し、同様に蛍光顕微鏡にて追跡を行った。現在の所、予想した蛍光色調の変化は観測されておらず、今後、分子設計または測定系の再検討/再構築を行う予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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