2021 Fiscal Year Annual Research Report
実社会を捉えた複合的な情報漏洩に耐性を持つ暗号化方式の構成
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20J14338
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 啓祐 東京工業大学, 情報理工学院 数理・計算科学系, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 公開鍵暗号 / 情報漏洩耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「実社会を捉えた複合的な情報漏洩が起きても安全で効率的な暗号化方式の構成」を目指して研究を行った。その中でも、近年注目を集めている情報漏洩に基づいた攻撃である Receiver Selective Opening (RSO) 攻撃に耐性を持つIDベース暗号に関する研究を進めた。 暗号化方式が RSO 安全であるとは,多数のユーザ間で暗号化方式を利用する状況において、一部のユーザの秘密鍵やメッセージが全て漏洩したとしても、その他のユーザの暗号文から情報を得ることができないことを指す。本研究では、従来、通常の暗号化方式に対してのみ考えられていた RSO 安全性を、代表的な高機能暗号技術である ID ベース暗号の文脈に拡張することを試みた。IDベース暗号は、従来の暗号化方式が抱える公開鍵認証局の存在という課題を解決する暗号技術であり、暗号文を作成する際に受信者の ID を用いて暗号化することが可能である。 結果として、従来の漏洩耐性を持たない ID ベース暗号を非対話型ゼロ知識証明システムと呼ばれる暗号技術を用いて、RSO 安全性を満たす ID ベース暗号に変換する汎用的な手法を提案した。この手法により得られた RSO 安全性を満たす ID ベース暗号は、ペアリング群上の困難性仮定、もしくは、高次元の格子上の困難性仮定に基づいて実現することが可能である。 本研究成果は、IF付き英文論文誌 IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences に採録された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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