2021 Fiscal Year Annual Research Report
A new estimation formula for describing diffusion coefficients in liquid metals comprehensively
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20J14950
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
椎木 政人 早稲田大学, 基幹理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 液体金属 / 自己拡散 / 相互拡散 / 不純物拡散 / 蛍光X線分析 / シアーセル法 / 分子動力学 / 熱力学的因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
液体金属の拡散は金属の凝固・結晶成長におけるミクロ組織形成を考える上で重要な輸送現象である.本研究では新規の液体金属の拡散係数測定方法の確立と推算式の構築を目的とし,シアーセル法及び蛍光X線分析を用いた拡散係数測定実験と分子動力学シミュレーションを用いた拡散挙動解析を行った結果,以下の4つの重要な知見を得た. 1つ目にMEAMポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーションより液体Snの特異な液体構造であるショルダーを再現し,原子の動きを可視化して拡散係数に与える影響を検討した結果,ミクロな挙動は剛体球モデルと異なるがマクロな拡散挙動に対してショルダー部に存在する原子は大きな影響を及ぼさないことを明らかにした.2つ目に液体金属の自己拡散係数測定において同位体核種の濃度を考慮して拡散試料の密度分布を推定し自然対流を抑制する方法が有効であると明らかにした.3つ目に蛍光X線分析を用いた液体金属の不純物拡散係数測定において,拡散実験中に変化する測定強度に対して時々刻々と変化する見かけの拡散係数を取得し,測定初期段階の誤差を低減する為に必要な拡散時間の決定方法として,見かけの拡散係数の最終測定値からの乖離量及び測定の不確かさの2指標を評価する方法が有効であると明らかにした.そして4つ目に同一のシアーセル装置を用いて系統誤差を排除した不純物拡散係数の結果より,不純物拡散係数の温度依存性の予測式は溶媒の自己拡散係数と剛体球モデルに基づく温度依存性を考慮した複数の因子の積によって確度約10%で表すことが可能であると明らかにした.以上の成果は学術誌Metallurgical and Materials Transactions B及びInternational Journal of Microgravity Science and Applicationに発表した.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)