2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Social History of Rural Colonial Korea - Focusing on Education, Daily Life, and Embodiment
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20J15101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小谷 稔 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 植民地期朝鮮 / 農業教育 / 農業補習学校 / 農業学校 / 農村青年 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、植民地朝鮮における農業教育史に関する調査を進めた。具体的には本年度は主に、植民地朝鮮の忠清南道・公州公立農業学校生の日誌を整理・分析することに重点を置き、現地調査による関係者へのインタビューなどを想定していた。この作業により、植民地朝鮮の地域社会(農村社会)における実業教育の認識や、学生の教育経験のありようについて明らかにすることができ、植民地朝鮮農村のエリート層や彼らを中心とする農村社会の存在形態に迫ることができると期待された。 しかしながら、本年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、大韓民国への渡航が著しく制限される状況であった。そのため、予定していた現地調査は中止し、その労力を日本国内で可能な資料収集に振り分けて研究を進行することとした。具体的には、古書店や書店で史料や先行研究を購入し、本年度や次年度以降の研究に備えることとした。その他、日韓の関係各機関への問い合わせによる日記史料の補完作業や、韓国の研究者を通した学校史・地域史の入手を行なった。そうした研究作業の成果を2021年3月の朝鮮史研究会関西部会例会で報告した。 その他生活史に関する書評報告を2020年6月朝鮮史研究会関西部会例会で行った。 また関連して、2020年度以前より進行中であった研究論文の投稿・査読を行い、研究期間以前の成果を公表したほか、所属研究室の科研費プロジェクトに参加し、2022年度に出版された足立芳宏編『農業開発の現代史』https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784814004294.html第4章の翻訳作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学生の日記史料の読解は順調に進み、年度末の学会報告も滞りなく終えることができた。また学校史や地域史も韓国人研究者の協力によりすぐに入手することができた。資料や先行研究の収集もおおむね順調に進んだ。 ただ韓国での現地調査が行えなかったため、地域のイメージを具体的に描けないまま史料の読解だけを進めてしまったことは多少の遺憾が残る。そのため「おおむね順調に進展している」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
大韓民国の渡航制限の解除・緩和を待ちながら、日本で収集できる資料や先行研究を可能な限り集める。また韓国の資料館への問い合わせを行なって史料の補完作業を行うとともに、インターネット公開されている資料の中で必要なものがないか、適宜チェックしていく。
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