2021 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習技術でせまる低密度核物質におけるアルファ凝縮相
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20J15126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 健斗 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | アルファ凝縮状態 / 荷電粒子識別 / 信号波形弁別 / 原子核構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本原子力研究開発機構のタンデム加速器において、12C+12C共鳴散乱を用いた24Mg原子核の6α凝縮状態の探索実験を行なった。6α凝縮状態は、2つの12C原子核の3α凝縮状態を経由して、最終的に6つのアルファ粒子に崩壊することが期待される。 実験においては、前年度までに開発した機械学習による粒子識別技術を用いることで、24Mg原子核の励起状態から6つのアルファ粒子が放出された事象を捉えることに成功した。これらのアルファ粒子の不変質量分布を解析することにより、中間状態として2つの3α凝縮状態が生成された事象を確認した。 今後、2つの3α凝縮状態の生成断面積のエネルギー依存性を詳細に調べ、理論予想された反応断面積と比較することで、24Mg原子核の6α凝縮状態の存否を確認する。 また、過去に取得された 13C 原子核におけるα凝縮状態探索実験のデータ解析を完了させた。データ解析の結果、13C 原子核の励起エネルギー Ex = 12.5 MeV にアイソスカラー型の単極子遷移によって強く励起される状態を発見した。また、Ex = 14.5, 16.1 MeV において、アイソスカラー双極子遷移によって励起される状態を新たに発見した。 理論予想されたエネルギーレベル構造が実験によく対応していることから、Ex = 16.1 MeV の状態は実験的なα凝縮状態の候補となる。しかしながら、この状態に対する理論的なアイソスカラー双極子遷移強度は測定された値よりも顕著に小さく、13C におけるα凝縮状態を確立するためには更なる実験的な情報が不可欠であることが分かった。ここまでの研究成果を論文としてまとめ、Progress of Theoretical and Experimental Physics 誌において発表した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)