2021 Fiscal Year Annual Research Report
統計的極値理論に基づく定量的リスク管理:新たなリスク測度推定法の研究
Project/Area Number |
20J15188
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
貝淵 響 総合研究大学院大学, 複合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | 定量的リスク管理 / 金融リスク管理 / リスク測度 / バリューアットリスク / 期待ショートフォール / 極値理論 / 推定量のバイアス補正 / 裾の重い分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である統計的極値理論に基づく新たなリスク測度推定法に関する論文を執筆した。国際的な専門誌であるQuantitative Financeに掲載されることが確定しており、オンライン上では既に掲載されている(https://doi.org/10.1080/14697688.2022.2048061)。研究の概要は以下の通り:分散不均一な変動を示す金融資産の収益率データに対するリスク管理では、分散不均一性は時系列モデルで説明し、モデルの標準化残差に統計的極値理論を援用する方法が2000年前後に確立している。極値理論というとき、既存研究は一般化パレート分布のあてはめに頼る方法であったが、本研究課題では、裾指数推定量のバイアス補正を行うセミパラメトリック手法に基づくリスク管理を提唱している点が新しい。 当初の予定では、金融機関のリスク管理実務で最も標準的なバリューアットリスク(VaR)と数学的な性質では優れているが推定法が自明ではないエクスペクタイル (expectile)の新たな推定法の提案することであった。バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が金融機関を対象とした国際的なルールとして、今後VaRではなく期待ショートフォール (バリューアットリスクでは反映されない超巨大リスクの影響を反映する)を導入するとしている。そのような理由から期待ショートフォールについても論文にした推定法(GARCH-UGH法)をベースに推定方法を提案した。具体的には、VaR(分位点)と期待ショートフォールの漸近的同値性と裾の重い分布の性質を用いて、VaRを推定する際に用いたGARCH-UGH法を期待ショートフォール推定法に変換した。その推定法が金融リスク管理にもたらす含意やメリットを、主に実データを用いてバックテスティングの観点から明らかにした。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)