2020 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の原因となるタウアミロイドを標的とした光酸素化触媒の開発
Project/Area Number |
20J15211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤崎 鷹 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / タウタンパク質 / 光酸素化反応 / 一重項酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病の患者脳には、アミロイド構造と呼ばれる高次構造を持つタンパク質の沈着が認められる。この沈着物は主に、細胞外でアミロイドβが、細胞内でタウタンパク質がそれぞれ凝集した不溶性凝集体である。これら二つの凝集体を除去、ないし凝集体形成を阻害できれば、アルツハイマー病の治療につながると期待される。これまで凝集阻害剤や抗体医薬が開発されているが未だ上市に至っておらず、従来とは異なるストラテジーが重要である。 当研究室では以前、光照射と有機分子光触媒の存在のみでアミロイドβに対して酸素原子を共有結合的に付与する光酸素化反応を開発した。本反応が与えるアミロイド(酸素化アミロイド)は毒性の低下や、より凝集化する過程を抑制することが明らかにされた。光酸素化触媒は、アミロイド構造に対してのみ反応活性を持つため、タウ凝集体に対しても進行できると期待され、触媒の構造を検討することでタウへの光酸素化反応を達成した。しかし本反応は、リコンビナントタウに対する光酸素化反応、すなわち基礎的な系に限定されていたため、治療への応用を見据えると、さらなる検討が求められた。今回、光酸素化反応を治療のアプローチとして昇華させるためのマイルストーンとして、細胞内のタウを標的とした光酸素化反応に着手した。 細胞内反応の達成のためには、光触媒も細胞膜を透過し、細胞内タウへ到達するに十分な水中動態が必要である。すなわち生理的条件下における酸素化活性を維持したまま、有機分子触媒の生体適合性向上、膜透過性の獲得等、従来の有機合成では検討することのない範囲も含んだ多面的な検討が求められた。種々の検討の結果、生理的条件下でも活性を維持し、活性も担保される構造を見出すことに成功した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Nanoscale View of Amyloid Photodynamic Damage2020
Author(s)
Patricia Bondia, Joaquim Torra, Caterina M. Tone, Taka Sawazaki, Adrian del Valle, Begona Sot, Santi Nonell, Motomu Kanai, Youhei Sohma, Cristina Flors
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 142
Pages: 922-930
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research