2021 Fiscal Year Annual Research Report
The role of cnm-positive Streptococcus mutans in the development of intracerebral hemorrhage
Project/Area Number |
20J15262
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
殿村 修一 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
Keywords | 脳内出血 / ミュータンス菌 / 脳血管内皮細胞 / ミクログリア / インテグリン / エンドサイトーシス / メカノレセプター / 早期アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度明らかにしたCnm陽性ミュータンス菌と脳出血との関連をより詳細に検討するため、ヒト不死化脳血管内皮細胞を用いたin vitro実験を行い、Cnm陽性株では、Cnm欠損株と比較して、内皮細胞内への浸潤(細胞内寄生)が生じることを明らかにした。さらに、その詳細な分子機構に関しては阻害薬実験を行った結果、インテグリンを介したクラスリン・ダイナミンによる細胞のエンドサイトーシスのシステムが細菌浸潤の機序として利用されていることが明らかになった。このことは血管内のシェアストレスを細胞内シグナルとして伝えるメカノレセプターとしてインテグリンの働きが亢進すると考えられる脳穿通枝領域の血管支配領域において、同細菌が作用する臨床的な特徴を説明づける上で有用な実験結果であった。さらに、脳血管内皮細胞内にCnm陽性ミュータンス菌が細胞内寄生することにより、被感染細胞の早期アポトーシスが進行することも明らかにした。一方、Cnm陽性ミュータンス菌の経静脈投与による経時的な脳出血発症との機序を調査したIn vivoの実験結果において、Cnm陽性ミュータンス菌が生菌として脳内に分布する時間は概ね1日から3日程度であった一方、Cnm陰性ミュータンス菌では1日経過した時点では脳内における生菌の分布は消失していることが明らかになり、この結果はin vitroにおける血管内皮細胞内寄生の特徴と一致した。また、脳内出血の経時的な出現率を時系列的に評価した結果からは、Cnm陽性ミュータンス菌菌血症を誘発後、1日後には脳内出血が確認されるものの3日および1週間後においての脳内出血の増加は見られないことが明らかになり、Cnm陽性ミュータンス菌の血管内皮細胞への浸潤から脳血管破綻・脳内出血に至るまでのプロセスは想定していたよりも短時間で進行・完成することが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|